H20呼吸器 1-3週 解答解説
1.次の組み合わせで誤りはどれか1つ選べ
a. 1回換気量500ml
b. 死腔量150ml
c. 肺胞気の二酸化炭素分圧40mmHg
d. 肺静脈血の酸素分圧100mmHg
e. 大動脈血の二酸化炭素分圧40mmHg
<解答>
d.
<解説>
肺胞気‐動脈血酸素分圧較差:肺胞気酸素分圧は 100 mmHgだが、動脈血酸素分圧は 95mmHgくらい。
肺胞気と動脈血のガス分圧の差は炭酸ガスではほとんどみられない(PAco2≒Paco2)が、酸素分圧については明らかな差がみられる。これを肺胞気‐動脈血酸素分圧較差といい、肺における血液酸素化能を表す指標になる。
正常では10mmHg以下であるが、年齢とともに増加する。大きいほど酸素化が悪い。
ちなみに炭酸ガスでは、肺胞気と動脈血のガス圧の差はほとんどみられない。
2.酸素−ヘモグロビン解離曲線を左方移動させるのはどれか1つ選べ
a. 血中水素イオンの増加
b. 体温低下
c. 運動
d. 2,3ジホスホグリセリド(2,3DPG)の増加
e. 血中二酸化炭素の増加
<解答>
b.
<解説>
酸素解離曲線を右側に移動させるもの
pH の低下 ・ 温度上昇 ・ 2,3-DPGの増加
があげられる。
a.・e.はpH低下、c.は温度上昇・d.は2,3-DPGの増加。
3.肺のう胞線維症で正しいのはどれか1つ選べ
a. 常染色体優性の遺伝子疾患である。
b. 汗のクロール(Cl)濃度が60mEq/l以下である。
c. 黒人や東洋人に多い。
d. 慢性の気道感染や気管支拡張症を示す。
e. 線毛の構造異常を認める。
<解答>
d.
<解説>参考文献:6/30(月)1限プリント
a. ×常染色体優性→○常染色体劣性
b. 汗のクロール(Cl)濃度が異常高値
c. コーカサス系白人に多い
d. 慢性の気道感染や気管支拡張症を示す。
e. 外分泌器官の障害で、汗腺・器官上皮のClチャンネル透過性が障害されている。
4.サルコイドーシスについて正しいのはどれか1つ選べ
a. 皮膚病変が最も高頻度に出現
b. ツベルクリン反応陽性
c. 血清ACE高値
d. BAL液中Bcell増加
e. 乾酪性類上皮細胞肉芽腫
<解答>
c
<解説>
a.呼吸器症状が90%で最も高頻度に出現する。
b.肺胞性免疫が低下し、ツベルクリン反応は陰性転化する。
c.正解
d.BAL液中には、CD4陽性T細胞の増加がみられる。
e.Langhans細胞と類上皮細胞からなる、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を呈する。
5.Wegener肉芽腫症について正しいのはどれか1つ選べ
a. 腎病変が先行することが多い。
b. 胸部]線写真で両側肺門リンパ節腫脹
c. 末梢血好酸球の増加
d. C−ANCA(PR3−JWCA)陽性
e. マクロライド系抗菌薬が著効する。
<解答>
d
<解説>
a.上気道病変が先行。
b.X線像では、多発結節状陰影を示すことが多く、空洞化がみられる。
c.参考所見としてWBC↑,CRP↑,BUN↑,血清Cr↑
d.主要検査所見として、PR3(C)-ANCA陽性。
e.治療は、腎病変を見る前に開始することが重要。免疫抑制薬(シクロホスファミド)を主とし、ステロイド薬を従とする方法。
6.じん肺症について正しいのはどれか1つ選べ
a. 通常有機性粉塵では肺病変を誘発することはない。
b. 石綿肺では、肺胞洗浄液中にアスベスト小体を見出すことがある。
c. 非結合型ケイ酸粉塵による肺障害では、肺の線椎化は軽度である。
d. じん肺症と診断したら、全例に高容量ステロイド薬を投与する。
e. 肺機能検査上、閉塞性換気障害のみ生じる。
<解答>
b
<解説>
a.有機性の粉塵はじん肺とは発生機序が異なるので含まれないが、過敏性肺炎や好酸球性肺炎の誘因となる。
b.石綿肺は病理像でみられるアスベスト小体が診断の決め手となる。標本は、喀痰、気管支肺胞洗浄液(BALF)、生検によって採取する。
c.珪酸粉塵によるじん肺(珪肺)では、CTでは大きな結節像(塊状の線維化巣)、肺生検組織所見では珪肺結節とよばれる繊維化巣がみられる。
d.治療は、@対症療法(鎮咳薬、去痰薬など)、A残肺肺機能保持(禁煙、呼吸リハビリテーション)
e.呼吸機能検査で肺拡散能↓、%肺活量↓=拡散障害、拘束性換気障害を呈する。しかし、これに閉塞性換気障害を含めた混合性換気障害を引き起こすことがある。
7.正しいのはどれか1つ選べ
a. パラコート中毒の症状経過は長く、全例生存しうる。
b. パラコート摂取後、5時間での血中パラコート濃度が10.0mg/Lの時は死亡する可能性が高い。
c. パラコート摂取後初期症状が軽度の場合、経過観察のみでよい。
d. パラコート中毒の症状経過は緩徐である。
e. 減圧症で、チョークスとは四肢の限局性疼痛のことである。
<解答>
b
<解説>
a:症状経過は早く、致死率も高い。
b:5時間で1mg/l以上は危険域なので死亡する可能性は高い。
c:初期症状がなかったり、軽症であっても直ちに治療をする。
d:症状経過は早く激しい。→3〜14日で肺繊維症→死亡率80%
e:チョークスは呼吸循環障害、四肢の限局性疼痛とはベンズのことである。
8.薬剤性肺炎として正しいのはどれか1つ選べ
a. 膿性痰
b. β−Dグルカン上昇
c. KL−6上昇
d. PaCO2上昇
e. トランスアミナーゼ上昇
<解答>
c
<解説>
a:細菌性肺炎
b:真菌性肺炎
*薬剤性肺炎のプリント参照
9.気管支喘息で正しいのはどれか1つ選べ
a. V型アレルギーである
b. 気道過敏性亢進の程度は通常健常人に比し約5倍である。
c. 喘息での死亡数は約2500名である。
d. わが国の喘息患者数は約100万人である。
e. 自然治癒する可能性が高い。
<解答>
c
<解説>
a:T型アレルギー。V、W型アレルギーの関与も。(year note参照)正しい?
b:50〜100倍の気管過敏性
c:正しい?
d:患者は約500万人で、病院に通院しているのは約200万人。
e:慢性化しやすい。
*気管支喘息のプリント参照
16.過換気症候群で認められるのはどれか1つ選べ
a. 高炭酸血症
b. 酸素解離曲線の左方移動
c. 高カリウム血症
d. 肺胞・動脈血酸素分圧較差(A−aDO2)開大
e. 代謝性アルカローシス
<解答>
b
<解説>
過換気症候群は器質的障害が認められないのに発作時に肺胞過換気を生じる状態である。
Paco2が低下し、呼吸性アルカローシスとなり、電解質異常や、脳血流の低下や、酸素解離曲線の左方移動が起こる。
a:低酸素血症になる
c:低カリウム血症になる
d:肺胞動脈血酸素分圧較差(A-aDo2)は増大しない。
aDo2の増大原因は、@肺拡散能の低下
A換気・血流不均等分布
Bシャント増大
による。
e:呼吸性アルカローシスになる
17 膠原病に伴う肺疾患について正しいのはどれか1つ選べ。
a. SLEの肺病変としては胸膜炎の頻度は低い。
b. PSSに合併する問質性肺炎では早期のステロイド治療が必要である。
c. PSSでは肺高血圧症の合併は認めない。
d. PM/DMはしばしば悪性腫瘍の合併を呈する。
e. シェーグレン症候群ではしばしば肺胞出血を認める。
<解答>
d
<解説>
a:SLEの肺病変としては胸膜炎の頻度は高い。
b:PSSの肺病変UIPにステロイドは無効。
c:PSSでは肺高血圧症の合併がみられる。
e:肺胞出血はほぼSLEでしかみられない。
シェーグレン症候群ではLIPがみられる。
18 関節リウマチの肺病変について誤りはどれか1つ選べ。
a. 慢性間質性肺炎ではUIP所見をとることが多い。
b. 肺病変は男性に多い。
c. BOOPをしばしばきたす。
d. 胸膜炎では胸水中の糖が増加する。
e. 閉塞性細気管支炎をきたすことがある。
<解答>
d
<解説>
胸膜炎では胸水中の糖が低下する。
25.気管支拡張症で誤りはどれか1つ選べ
a. 慢性の咳・疾・労作時の息切れ・血疾を呈する。
b. しばしば副鼻腔炎を合併する。
c. 原発性線毛機能不全症の代表的疾患はKartagener症候群である。
d. 肺機能では、閉塞性障害がみられる。
e. 急性悪化時にはステロイドのパルス療法が効果的である。
<解答>
e
<解説>
後天性の気管支拡張症は宿主の易感染性が原因で弱毒菌に反復感染して発症することがある。通常、下気道では気管支粘膜の線毛運動によって無菌状態が保たれるが、実際気管支拡張症の症例を調べてみると線毛運動に異常があるケースが多い。これらを総称して原発性線毛機能不全症という。(ダイニン蛋白の異常がある)代表疾患としてKartagener症候群(慢性副鼻腔炎、気管支拡張症、内臓逆位)があり、これは上気道の線毛運動が不活発であるために慢性副鼻腔炎を来たす。(step p.303)
肺機能検査では、多くは正常範囲であるが、中等度以上では貯留した気道内分泌物と変形した気管支の圧迫により閉塞性障害を呈する。
治療としては、原則として保存的に治療し、気道クリーニングが最も重要。体位ドレナージも有効。薬剤療法として去痰薬と気管支拡張薬が中心となる。また、エリスロマイシン(マクロライド)少量持続投与も行われる。 ※参考文献(STEP P.303-306)
26.COPDの診断に関して誤りはどれか1つ選べ
a. COPD患者は中高齢者で発症し,喫煙との関係が深い。
b. 診断にはスパイロメトリー(肺機能検査)が必須である。
c. 胸部CTは気腫性病変の検出に有用である。
d. 重症度の判定には胸部]線所見が必須である。
e. 労作性呼吸困難は重要な初発症状のlつである。
<解答>
d
<解説>
慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関して...
・40歳以上で、喫煙歴があり、慢性な咳嗽・喀痰や労作性呼吸困難がみられたときCOPDを疑う。
・確定診断は、気管支拡張薬投与後のスパイロメトリーにて1秒率(FEV1%)<70%、および他の疾患を除外することによる。
・胸部CTは気腫病変・気道病変をとらえることができる。
・胸部X線は他の疾患の除外や進行病変の診断のために用いられる。
・特徴的な胸部X線所見としては、横隔膜の平低化、滴状心(過膨張した肺と低位となった横隔膜の影響でしずくのような陰影になる)、肋間腔の拡大、胸骨後腔や心臓後腔の拡大が認められる。
・重症度は呼吸困難の程度と%1秒量(%FEV1)にて判定される。
・治療は喫煙、呼吸訓練(口すぼめ呼吸)、在宅酸素療法(HOT)、気管支拡張薬、吸入ステロイドなど
※参考文献(病気が見える P.166-173)
27.次の中で正しいのはどれか1つ選べ
a. 低換気によりAaDO2は増加する。
b. 肺毛細血管の炎症は病初期から高炭酸ガス血症を招く。
c. T型肺胞上皮細胞は、サーファクタントを産生する。
d. 安静時換気は横隔膜の動きによるものが最も大きい。
e. 分時換気量は、(一回換気量一残気量)×呼吸数(/分)で表される。
<解答>
d
<解説>
a:A-aDo2は肺胞気−動脈血酸素分圧較差である。低換気では、肺胞での拡散機能は障害されていないので肺胞−動脈血間での酸素分圧の差は生じない。また、A-aDo2が開大する原因としては、@換気血流比不均等、A拡散障害、B右-左シャントが挙げられる。※参考文献(病気が見える P.37)
b:高炭酸ガス血症を引き起こす,あるいは誘発する主な機序は,不十分な呼吸駆動力,換気ポンプの欠陥,呼吸筋の疲労を引き起こすほどに大きな労作負荷,重症/不均等を伴う内因性肺疾患である。最後の2つの機序は併発することが多い。炭酸ガスは肺胞での拡散能がよいために炎症が進行しないと高炭酸ガス血症になることはない。
c:T型肺胞上皮細胞はガス交換を行う場であり、U型肺胞上皮細胞は肺胞表面活性物質を分泌する。
※参考文献(病気が見える P.10)
d:呼気時に働く−内肋間筋(努力呼出時は腹直筋、腹斜筋、腹横筋も働く)
吸気時に働く−横隔膜、外肋間筋(努力呼出時は胸鎖乳突筋、斜角筋も働く)
また、正常安静呼吸は主に横隔膜の収縮・弛緩により行われる。
※参考文献(病気が見える P.13)
e:分時換気量=一回換気量×呼吸数
肺胞換気量=(一回換気量−死腔量)×呼吸数
※参考文献(病気が見える P.13)
28.閉塞性無気肺の]線写真について正しいのはどれか1つ選べ
a. 無気肺部の]線の透過性亢進
b. 健常肺側の横隔膜挙上
c. 健常肺側への縦隔偏位
d. 代償性の肺過膨張
e. 無気肺隣接臓器とのシルエットサイン陰性
<解答>
d
<解説> 閉塞性無気肺のX線写真に関して...
・無気肺の部分は含気量が少ないので、X線透過性が低化して白く写る。
・無気肺の部分は萎んでいるので、肺容量が減少。これにより周辺の組織が引っ張られて気管支が無気肺側へ偏位し、無気肺側の横隔膜が挙上する。
・健常な肺組織は代償性に過膨張となる。
・無気肺と心臓が重なった場合、X線上の境界線が消失することがある(シルエットサインの消失=シルエットサイン陽性)
他の閉塞性無気肺の所見...
呼吸困難・聴診にて肺胞呼吸音の減弱・打診にて濁音・触診にて声音振盪の減弱がみられる。
※参考文献(病気が見える P.276-278 / STEP P.316)
33.好酸球性肺炎を確定診断するために最も有用な検査はどれか1つ選べ
a. 特異的IgE抗体(RAST)
b. 喀痰ハンセル染色
c. 気管支肺胞洗浄
d. 胸部HRCT
e. DLST
<解答>
(c)
<解説>
好酸球性肺炎は肺胞領域に好酸球浸潤を認める疾患である。急性と慢性に大きく分けられ、急性好酸球性肺炎は若年者に多く、急性の発熱、呼吸困難を呈し、重篤な低酸素血症を伴い、胸部X線像にてびまん性浸潤影、時に少量の胸水貯留が見られ、BALF(気管支肺胞洗浄)で好酸球増多(25%以上)、CRP上昇などがある。ステロイドが著効するが、自然軽快することもあり、再発はしない。慢性は中年の女性に多く、数週から数ヶ月の経過で、発熱、咳嗽、体重減少などを呈し、X線像で移動性の末梢性浸潤影がみられ、BALFや肺生検で好酸球浸潤があり、抹消血で好酸球増加が見られる。治療は少量ステロイドの長期投与であり、再発する。以上より、確定診断には気管支肺胞洗浄が正しい。
34.睡眠時無呼吸症候群に伴う症状で正しいのはどれか1つ選べ
a. 左室肥大
b. 貧血
c. 低血圧症
d. 日中の活動性亢進
e. 10秒以上の呼吸停止
<解答>
(e)
<解説>
睡眠時無呼吸症候群は閉塞性、中枢性、混合性に分けられるが、最も多いのが、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)である。
壮年から中年の肥満した男性に多い。主な症状は、睡眠中の激しいいびき、10秒以上の呼吸停止、夜間の頻回の覚醒、呼吸性アシドーシス、日中の傾眠傾向、起床時の頭痛などがある。確定診断はポリソムノグラフィー(PSG)による。
35.結核菌について正しいのはどれか1つ選べ
a. 嫌気性菌である。
b. 増殖倍加時間は2時間
c. 感染経路は飛沫感染である。
d. 土壌などの環境常在菌である。
e. Ziehl−Neelsen染色で赤く染色される。
<解答>
(e)
<解説>
「病気が見える‘呼吸器’のp94」
結核菌は抗酸菌属に属する偏性好気性桿菌である。通常の染色方法では染まらず、Ziehl-Neelsen染色で赤く染まる。結核の感染様式は飛沫核によるヒトからヒトへの空気感染である。抗酸菌は増殖が遅い。
36.結核治療で正しいのはどれか1つ選べ
a. 通常治療期間は4ケ月である。
b. DOTSとは服薬の自己管理指導を指す。
c. 発症予防内服の第一選択薬はRFPである。
d. 治療薬は1剤ずつ様子を見ながら追加する。
e. INHとRFPに耐性の場合多剤耐性結核菌という。
<解答>
(e)
<解説>
結核の治療は、イソニアジド(INH)、リファンピシン(RFP),ピラジナミド(PZA)、ストレプトマイシン(SM)、エタンブトール(EB)などを用いた多剤併用療法を4〜6ヶ月行う。単剤のみでは耐性菌の増殖を招くので行わない。
結核の治療中、結核菌が薬剤耐性を獲得する大きな原因として、患者の不規則な内服が挙げられる。このため、服用の際は、第三者の監視により不規則な投与や中断を防ぐDOTS療法がWHOにより推奨されている。発症予防内服の第一選択薬はINHである。(多分・・・)
多剤耐性結核菌とは、すくなくともINH、RFPの両方に耐性を獲得した結核菌のことである。
37.マイコプラズマ・ニューモニエについて正しいのはどれか1つ選べ
a. 主に空気感染する。
b. 人工培地で培養可能である。
c. 高齢者に頻度の高い肺炎である。
d. β-ラクタム系抗菌剤が有効である。
e. 肺炎症例でにほとんど咳嗽を認めない
<解答>
b
<解説>
※参考文献(プリント6/25(水)2限)
マイコプラズマ
自己代謝により増殖しうる最小微生物で、細胞壁はない(βラクタム薬無効)→dは誤り
グラム染色では通常は確認できない
PPLO培地で培養可能→bは正解
飛沫感染する→aは誤り
発熱とともに頭痛、咽頭痛、激しい咳嗽を伴う(感冒との鑑別困難)→eは誤り
学童〜青年期にかけて多く、高齢者の発祥はまれ→cは誤り
治療はマクロライド系、テトラサイクリン系、キノロン系が有効。
しかし、マクロライド系は近年耐性化が問題となっている。
テトラサイクリン系は歯牙黄染、のため小児にしようできない
38.かぜ症候群で最も多いウイルスはどれか1つ選べ
a. アデノウイルス
b. RSウイルス
c. ライノウイルス
d. インフルエンザウイルス
e. パラインフルエンザウイルス
<解答>
c
<解説>
※参考文献(プリント7/2 (水)2限)
ライノウイルスが全体の40%以上を占める
39.43歳の男性。39℃の熱、激しい咽頭痛を訴えて受診した。唾液も飲み込みづらく少し息も苦しいという。
この患者への対応として誤りはどれか1つ選べ
a. バイタルサインを測定する。
b. 経皮的酸素飽和度(SaO2)を測定する。
c. 総合感冒薬を処方して帰宅させる。
d. 耳鼻咽喉科医へ診察を依頼する。
e. 緊急気管切開の準備をする。
<解答>
c
<解説>
咽頭痛、呼吸困難がある
→気道閉塞の恐れがあるので帰宅させてはいけない
40.夏型過敏性肺炎に特徴的なBALF(気管支肺胞洗浄液)所見はどれか1つ選べ
|
細胞密度(cell/ml) |
マクロファージ |
リンパ球 |
好中球 |
好酸球 |
a |
1.0x105 |
90% |
8% |
1.50% |
0.50% |
b |
1.0x105 |
50% |
40% |
8% |
2% |
c |
3.0x105 |
40% |
8% |
50% |
2% |
d |
3.0x105 |
40% |
55% |
2% |
3% |
e |
3.0x105 |
50% |
8% |
2% |
40% |
<解答>
d
<解説>
参考文献(プリント6/25(水)1限)
夏型過敏性肺炎はtrichosporon cutaneumが原因抗原でおこるVおよびW型アレルギーによる肺炎である。拘束性換気障害(コンプライアンス低下、全肺気量&機能的残気量低下、肺活量低下)や肺拡散能低下がみられる。胸部XPでは粒状影、HRCTでは小葉中心性の結節影が見られる。リンパ球が著増し、夏型HPではCD8+T細胞が増加する(CD4/8比の低下)。農夫肺ではCD4+が増加することがある。総細胞数も著増するので、dが正解。
45.肺癌について適切な組み合わせはどれか1つ選べ
a. 腺癌 ― ADH不適合分泌症候群
b. 扁平上皮癌 ― 末梢型肺癌
c. 小細胞肺癌 ― Lambert−Eaton症候群
d. 大細胞癌 ― 満月様顔貌
e. カルチノイド ― 空洞形成
<解答>
c
<解説>
病気がみえる185〜186 7/7 3時間目の授業プリント
☆腫瘍随伴症候群☆
原発腫瘍の増大・浸潤や転移の部位から離れた臓器に間接的に生じるがんの病態
発生機序
・自己免疫的機序
・腫瘍が液性因子を産生
・腫瘍の代謝、消費
・腫瘍にウイルス感染が合併
発症頻度
・初診時では、悪性腫瘍の7〜15%、その後の経過期間も含めると約半数の症例で認められる
臨床的意義
1.悪性腫瘍よりも先行することがあるので、早期診断に有効
2.腫瘍自体の症状や兆候をマスクするので腫瘍の発症部位や種類を誤認しやすい
3.臨床経過や再発指標になりえる
分類
・腫瘍随伴性神経症候群…小脳変性、ミオクローヌス、脳脊髄炎、ランバート・イートン症候群など
・腫瘍随伴性内分泌症候群…異所性ACTH症、高カルシウム血症、SIADHなど
・腫瘍随伴性代謝異常症…アミロイドーシス、低血糖など
・血液学的腫瘍随伴症候群…WBC・PLT異常、多血、貧血、DIC
・腫瘍随伴皮膚筋骨格異常
・腫瘍随伴腎症候群
少し端折って説明すると、呼吸器系の腫瘍随伴症候群はほとんどが小細胞癌によるものと考えていいです。例外は扁平上皮癌で頻度が多い高カルシウム血症を覚えておいてください。
a… SIADHは小細胞癌に多い
b…扁平上皮癌は中枢型肺がん
d…満月様顔貌は異所性ACTH産生なので小細胞癌に多い
e…画像所見で空洞を形成するのは扁平上皮癌
46.肺がんについて、次のうち正しいのはどれか1つ選べ
a. 喀痰細胞診でがん細胞が見つかれば肺がんと診断できる
b. 肺がんの転移形式は血行性かリンパ行性である
c. 肺がんには原発性肺がんと転移性肺がんがある
d. 肺がんと診断が確定すると抗がん剤治療の適応となる。
e. 胸部レントゲン写真を撮ると、肺がんの存在診断は可能である。
<解答>
a
<解説>
肺がんの確定診断は、喀痰細胞診・気管支鏡検査・擦過細胞診で行う
b…他にもあるらしいです(すいません、よくわかんないですorz 神経行性かなと…)
c…これもよくわかんないですorz
d…ステージWの肺がんで、PS3以上なら化学療法はやりません
e…胸部x線だけでは小さな癌は発見できないので、CTやPETも必要です
47.65歳男性 肺癌(腺癌)と診断されステージングをおこなったところT2N2MIStageWとなった。
治療方法を決定する上で最も必要な情報はどれか1つ選べ
a. 腫瘍マーカー
b. PS(Performance Status)
c. 血清LDH値
d. 遠隔転移の数
e. 体重減少の有無
<解答>
b
<解説>
7/8 4時間目授業プリント
ステージWの非小細胞肺がんに対する抗がん剤治療は、PS2以上で適応となる。
それよりも全身状態の悪い患者に対しては積極的な治療はむしろ短命化になる。
肺がんの薬物療法
・多くは点滴注射
・投与は1回/1〜4週(点滴時間は30分〜8時間)
・外来で対処できる
・副作用、効果には個人差がある
☆プラチナ製剤を含む二剤併用が基本!!
48.小細胞肺癌について誤っているのはどれか1つ選べ
a. 肺癌の組織型のうち40%を占める。
b. 進行が早く無治療の場合生存期間中央値は約2〜4ケ月である。
c. 治療法選択と予後の観点から限局型と進展型の2群に分ける病期分類が用いられる。
d. 限局型小細胞肺癌の標準的治療は放射線化学療法であるが放射線照射の時期は化学療法と同時期にするほうが予後の改善につながっている。
e. 限局型小細胞肺癌治療後に完全寛解を認める症例は予防的全脳照射を施行するように勧められている。
<解答>
a
<解説>
病気がみえる182〜
☆小細胞肺がん☆
・肺がんの15%を占める
・増殖速度が速い
・化学療法や放射線療法に対する感受性が高い
・マーカーはNSE、pro-GRP
・腫瘍随伴症候群を伴うことが多い
・中枢型の肺がん
・肺門・縦隔リンパ節腫大
・基本的には化学放射線療法
・喀痰細胞診で木目状の小型細胞
a…40%を締めるのは腺癌(35%が扁平上皮癌、15%が小細胞癌、5%が大細胞癌)
49.肺がんに対する放射線治療で正しいものはどれか1つ選べ
a. 原発巣、両側肺門部、全縦隔を含む大きな照射野で治療する。
b. 化学放射線療法では、放射線療法のあと化学療法を開始する。
c. 標準的な線量分割は50Gy/10回/2週間である。
d. 小細胞肺がんには1日2回の照射を行う。
e. 悪性胸水を伴う場合、全肺照射を行う。
<解答>
d
<解説>
a.なるべく照射野は小さい方が良い。
急性放射線障害…放射線皮膚炎、放射線食道炎など
晩期放射線障害…放射線脊髄炎、放射線肺臓炎など
b.放射線化学療法同時併用療法を行う。
c.45Gy/15回/1週間
d.小細胞肺癌では、脳転移での再発が多いため、予防的全脳照射を行う。
e. 悪性胸水・対側肺門リンパ節転移症例などは化学療法の適応である。
*プリント7/9(水)3限岡本先生
50.図に示す肺がんの放射線治療法はどれか1つ選べ
a. 強度変調放射線治療
b. 定位放射線治療
c. 組織内照射
d. ガンマナイフ
e. 重粒子線治療
<解答>
b
<解説>
定位放射線治療は、標的を中心としたいくつかの回転軸で照射する運動照射であり,分割照射法をとることが可能なので,頭蓋内外の全身の腫瘍治療に応用ができる。ともに腫瘍容積が数mLまでの小さな病巣が治療適応となる。
*プリント7/9(水)2限 西村先生
51.67歳男性、市民健診で胸部異常陰影の指摘を受け、精査目的で来院した。軽度の咳蠍がある。3年前の健診でも同様の指摘を受けたが放置していた。煙草は1日20本を40年間職業は17歳時より建築業。胸部]線を示す。
診断は何か?
a. 肺結核
b. 湿性胸膜炎
c. 肺癌
d. 胸膜朕氏(プラーク)
e. 気胸
<解答>
a
<解説>
建築業で粉塵を長年吸収し続けたことにより、肺に線維増殖性変化であるじん肺症を起こしていると考えられる。合併症として肺結核、結核性胸膜炎などがある。胸部X線では、肺門リンパ節腫脹や肺野の結節影、空洞病変などを認める。
2週間以上持続する咳などを主訴として来院する。
52.胸膜腫瘍について正しいのはどれか1つ選べ
a. 転移性胸膜腫瘍よりも原発性胸膜腫瘍が多い。
b. 孤在性線維性腫瘍(Solitary FibrousTumor)には良性が多い。
c. 喀痰細胞診は陽性になることが多い。
d. 気管支鏡はまず初めに行う検査である。
e. 喀痰量が多い
<解答>
b
<解説>
a.多くは転移性である。
b.孤在性線維性腫瘍は石綿との関係が全くない。臓側胸膜に発生し、有茎性発育を示す。女性に多い。それに対し、胸膜中皮腫は悪性で、石綿曝露との関係が濃厚であり近年増加傾向である。初発部位は壁側胸膜である。男性に多い。アスベスト曝露開始から中皮腫発生まで40年くらいかかる。
c.e.喀痰は少なく、喀痰細胞診は陰性であることが多い。
d. @胸部X線検査:胸水の貯留、胸膜の腫瘍・肥厚斑(pleural plaque),肺線維症,縦隔の患側へのシフト(他の胸水貯留疾患との相違点),縦隔リンパ節腫脹
A胸部CT検査:全周性のびまん性胸膜肥厚,腫瘤様突出,胸壁・肋骨・縦隔への腫瘍浸潤
BMRI検査:縦隔浸潤や胸腔から腹腔への浸潤が評価可能.
C肺機能検査:拘束性換気障害
D心電図検査:不整脈、伝導障害
E胸水
気管支鏡は肺癌の除外診断のために補助的に行う。
*プリント7/10 (木) 2限 中野先生
53.縦隔腫瘍の発生部位で正しいのはどれか1つ選べ
a. 胸腺腫 ― 後縦隔
b. 悪性リンパ腫 ― 前縦隔
c. 気管支嚢胞 ― 前縦隔
d. 神経鞘腫 ― 中縦隔
e. 奇形腫 ― 前縦隔
<解答>
b,e(どちらかといえば、e? )
<解説>
a. 胸腺腫 ― 前縦隔
c. 気管支嚢胞 ― 中縦隔
d. 神経鞘腫 ― 後縦隔
※参考文献:7/10スペアタイムのプリント
54.胸腺腫について正しいのはどれか1つ選べ
a. 胸腺腫の臨床病期分類には正岡分類を用いることが多い。
b. 好発年齢は30歳代で女性に多い疾患である。
c. 縦隔腫瘍の中で二番目に頻度が高い。
d. 重症筋無力症の約30%に胸腺腫を合併する。
e. レントゲン上両側BHL(両側肺門リンパ節腫脹)をきたすのが特徴である。
<解答>
a
<解説>
b. 好発年齢は50歳前後で、男女差なし。
c. 縦隔腫瘍の中で一番目に頻度が高い。
d. 重症筋無力症の10〜15%に胸腺腫を合併する。
胸腺腫の約30%に重症筋無力症を合併する。
e. レントゲン上両側BHL(両側肺門リンパ節腫脹)をきたすのが特徴である。
これは、サルコイドーシスの所見である。
※参考文献:7/10スペアタイムのプリント
55.肺癌化学療法に関して誤っているものを1つ選べ
a. 全身療法として位置付けられる。
b. 症状緩和は重要な目的である。
c. 長期入院が原則である
d. 全身状態の指標としてPerformance Status(PS)が用いられる。
e. インフォームドコンセントは必須である。
<解答>
c
<解説>
肺癌化学療法は通院治療で行う。
※参考文献:7/8 4限のプリント
56.肺癌化学療法中の副作用対策に関して誤っているものを1つ選べ
a. 嘔気、嘔吐 ― セロトニン受容体拮抗薬
b. シスプラチンによる腎毒性 ― 大量補液
c. 38度以上の発熱 ― 自宅静養
d. 白血球減少 ― G−CSF投与
e. 赤血球減少 ― 輸血
<解答>
c
<解説>
肺癌化学療法中に38度以上の発熱が見られた場合、必ず来院してもらうように患者さんに説明することが大切である。
※参考文献:7/8 4限のプリント
57.肺癌集学的治療に関して誤っているものを1つ選べ
a. 内科、外科、放射線科での緊密な連携が必要である。
b. 抗がん剤治療は習熟した医師により実施されるべきである。
c. 術後化学療法により手術単独に比べ生存期間延長をもたらす可能性がある。
d. 小細胞肺癌は化学療法、放射線療法への感受性が低い。
e. 術後補助化学療法は微小転移巣を根絶することを目的とする。
<解答>
d
<解説>
a,b,c,eは正しい。dの小細胞肺癌は化学療法や放射線に対する感受性が高い。
肺癌の集学的治療について
・手術(局所療法)
・放射線療法(局所療法)
・化学療法(全身療法)
集学的治療とは、上記の治療法を組み合わせてより高い治療法を狙っている。
集学的治療の利点と欠点
利点としては、複数の治療法を組み合わせることで各治療法の欠点を補うことができ、治療効果を高められる。
欠点としては、一般的に治療に伴う副作用が出現しやすくなる。
58.放射線化学療法併用療法について誤っているものを2つ選べ
a. 化学療法により腫癌の放射線感受性がよくなる0
b. 異時併用療法は同時併用療法よりも効果が高い。
c. 化学療法は全身微小転移を抑える。
d. 放射線単独治療よりも毒性は軽減される。
e. 放射線単独治療よりも治癒率は上がる。
<解答>
b,d
<解説>
a,c,eは正しい。b,放射線化学療法では同時併用療法が治療効果を高める。d,放射線単独療法よりも放射線化学療法の方が副作用が出やすい。
放射線療法について
放射線療法は、腫瘍に対して局所制御と正常組織に対する急性障害、晩期障害との兼ね合いを常に考えながら行う。
急性障害:照射期間中数ヶ月以内に出現し、時間経過とともに治癒しうるもの。
例:脱毛、放射線皮膚炎、放射線口内炎、放射線食道炎、放射線腸炎など
晩期障害:照射後6ヶ月から数年以上経過して出現し、一旦障害が発生すると治癒しがた
いもの。
例:白内障、放射線脊髄炎、放射線肺臓炎、粘膜潰瘍、直腸潰瘍など
ただし、上記の障害はその対象臓器が放射線の照射野に入っていないと起きない。
腫瘍の放射線感受性について
・放射線感受性のある腫瘍として
脳腫瘍(胚芽腫、髄芽腫)、上咽頭癌、皮膚癌(顔面)、セミノーマ、悪性リンパ腫、Wilmus腫瘍、小細胞肺癌、肛門管癌
・放射線抵抗性の腫瘍
悪性膠芽腫、骨肉腫、悪性黒色腫、腎細胞癌
59.肺の区域で正しいものはどれか1つ選べ
a. 右肺上葉1.2.3、右肺中葉4.5.6、右肺下葉7.8.9.10、左肺上葉1+2.3.4.5、左肺下葉6.7.8.9.10
b. 右肺上葉1.2.3、右肺中葉4.5、右肺下葉6.7.8.9.10、左肺上葉1+2.3.4.5、左肺下葉6.8.9.10
c. 右肺上葉1.2.3、右肺中葉4.5、右肺下葉6.7.8.9.10、左肺上葉1+2.3.4.5、左肺中下葉6.8.9.10
d. 右肺上葉1.2.3、右肺中葉4.5.6、右肺下葉7.8.9.10、左肺上葉1+2.3左肺中葉4.5.6左肺下葉8.9.10
e. 右肺上葉1.2.3.4、右肺中葉5.6、右肺下葉7.8.9.10、左肺上葉1+2.3.4.5、左肺下葉6.8.9.10
<解答>
b
<解説>
肺葉は肺区域に分けられ、その肺区域は各々の支配気管支によって規定されている。
右肺について
上葉:肺尖区(S1)、後上葉区(S2)、前上葉区(S3)
中葉:外側中葉区(S4)、内側中葉区(S5)
下葉:上・下葉区(S6)、内側肺底区(S7)、前肺底区(S8)、外側肺底区(S9)
後肺底区(S10)
左肺について
上葉:肺尖後区(S1+2)、前上葉区(S3)、上舌区(S4),、下舌区(S5)
下葉:上・下葉区(S6)、前肺底区(S8)、外側肺底区(S9)、後肺底区(S10)
60.胸部手術の合併症について正しいものはどれか1つ選べ
a. 横隔神経損傷 − 横隔膜の挙上
b. 術後ドレーンから300ml/時の出血 − 止血剤投与
c. 肺梗塞 − 無気肺
d. 反回神経麻痺 − 頻脈
e. 肺水腫 − 皮下気腫
<解答>
a
<解説>
a.正しい。
b.術後ドレーンから300ml/hの出血では再手術を行い、出血点を止める。
c.肺梗塞が起きると突然の呼吸困難が起きる。
d.反回神経麻痺ではさ声が起きる。
e.肺水腫では、労作時呼吸困難やピンク色の泡沫状喀痰などの症状が出る。
また、胸部X線像でbutterfly shadowがみられる。
胸部手術の術後合併症について
術後出血は術後〜一週間に起きやすい。
急性呼吸不全は術後〜10日ぐらいに起きやすい。
エアーリーク(肺や気管支から空気が漏れる)は術後〜二週間ぐらいに起きやすい。
肺炎は術後〜10日ぐらいまでに起きやすい。
61.肺癌の発生母地について誤った組み合わせを1つ選べ
a. U型肺胞細 − 胞肺腺癌
b. クララ細胞 − 肺腺癌
c. 基底細胞 − 扁平上皮癌
d. 神経内分泌細胞 − 小細胞癌
e. 基底細胞 − 大細胞癌
<解答>
e
<解説>
e 大細胞癌の発生母地は不明である。
62.肺癌でみられる癌抑制遺伝子の異常について間違っているものを1つ選べ
a. p53の遺伝子異常は腺癌で頻度が低い。
b. Rb遺伝子は細胞周期を制御する
c. Rb遺伝子の異常は非小細胞癌で高頻度に見られる。
d. p16はRbを調整する。
e. p16の不活性化は非小細胞肺癌で高頻度に見られる。
<解答>
c
<解説>
a 正解 p53の遺伝子異常は腺癌で頻度が低い。
b 正解 Rb遺伝子は細胞周期を制御する
c 間違い Rb遺伝子の異常は小細胞癌で起こっている
d 正解 p16はRbを調整する
e 正解 p16の不活化は非小細胞癌で高頻度に見られる
63.分子標的治療剤についての記載で間違っているものはどれか1つ選べ
a. ゲフイチニブは欧米人に比べアジア人の非小細胞肺がんに有効性が高い
b. ゲフイチニブは扁平上皮がんに比べて肺線がんに有効性が高い
c. ゲフイチニブは非小細胞肺がんの中で喫煙者に比べて非喫煙者で奏功率が高い
d. セツキシマブはK-raS遺伝子異常のある大腸がん患者で有効性が高い
e. セアキシマブは標準的治療剤と併用することで非小細胞肺がんの生存期間を延長することができる
<解答>
d
<解答>
d 間違い セツキシマブはK-raS遺伝子異常のない大腸がん患者で有効性が高い
64従来の抗がん剤と比べた場合の分子標的療法の特性について正しいものはどれか1つ選べ
a. 腫瘍特異性が高い
b. 好中球減少が強い
c. 肺毒性が高頻度に認められる
d. 血小板減少が強い
e. 脱毛が強い
<解答>
a
<解説>
分子標的療法は腫瘍特異性が高い。
b〜eは従来の抗がん剤についてである。