生理学 H13前半

10

a 好中球は白血球の6割強を占める。白血球の7割弱が顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)で、顆粒球のほとんどを好中球が占める。

次項に資料を示す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


11

b 副腎髄質は外胚葉由来で、カテコールアミンを分泌し、神経系と機能的関連を持つ(神経系も外胚葉由来であることをふまえておくと記憶にとどまりやすいかも)。

 

12

 

 

 

13

a 胃の最表層の粘膜上皮は一層の円柱上皮細胞からなる。

 

14

c パネート細胞は小腸に特有な細胞で、陰かの底に数個集まって存在する。HE染色で赤く染まる大型の顆粒を細胞質に含む。消化酵素分泌には関与せず、腸内細菌のコントロールに関わる。dのパイエル板は回腸の粘膜固有層で見られるリンパ小節の集合。

 

 

 

15

b 造血幹細胞は骨髄中にとどまる。

 

35

e ソマトスタチンは胃のpHが低下すると分泌され、迷走神経からのアセチルコリンや、G細胞からのガストリンの分泌を抑制して、胃酸分泌を抑制する。

 

36

c 膵液には三大栄養素全てに対する消化酵素が含まれる。膵液のタンパク分解酵素はトリプシン、キモトリプシンなど。ペプシンもタンパク分解酵素であるが、これは、胃の主細胞から分泌されるペプシノゲンが胃液HClと反応してできるもの。

 

37

e 基底膜側(つまり管腔の反対側)に存在するNa+/K+ポンプが作り出すNa+勾配(細胞内Na+少)によって働く二次性能動輸送(Na+を細胞内へいれると同時に他の物質を共輸送、対向輸送する)が管腔側にあるため、管腔のNa+は細胞内に移動し、管腔の浸透圧が下がる。これにより水は、管腔から細胞内に移動する(水の吸収)。水は小腸でも大腸でも同じくらい吸収される。大腸は水と電解質しか吸収しないからといってdを正解としないよう注意。消化液は日に7l分泌され、そのほとんどは水分である。消化管内の水分のほとんどは吸収される。

 

38

a bは振り子運動で、内容物の混和のためにおこる。

 

47

d 房室結節は右心房にある。

心臓の正常な働きがおこるには、・心筋の収縮が有効におこるためのリズムをつくること。・心房からの血液流入が十分起こった後、両心室が同期に収縮すること(心房収縮→寝室収縮)。が必要。このリズムをつくるのが、特殊心筋からなる刺激伝導系。興奮の伝導を下に示す。

 

     洞房結節(右心房の大静脈との境界にある。静止膜電位が勝手に上昇し閾値を越えると勝手に活動電位を生じる)

     房室結節(右心房の心室との境界にある)

     ヒス束

     右脚と左脚に分かれる。

     両脚それぞれの先のプルキンエ繊維

 

48

b T波は心室筋の再分極による。

     P波:心房筋の脱分極

     QRS群:心室筋の脱分極

     T波:心室筋の再分極

     PR間隔:心房から心室に興奮が伝わる期間

     ST間隔:心室筋の再分極初期

aについて;心室筋の収縮が始まるのはR波の時点。

 

49

正解が無いかも・・・

 

aからdは明らかに間違い。eは聞いたこと無いし読んだことも無い。等容性収縮期は心室の出入り口の弁がみんな閉まった状態で心室筋が収縮し、心室内圧を上昇させて出口の弁にかかってる圧力に打ち勝って血液を拍出しようとしてる状態。ちなみに弁の形状から、房室弁は心室内圧が上がっても開くことは無い。

 

 

50

b 房室結節内の興奮伝導は心房筋の収縮が終わりきってから心室筋の収縮をおこすため速度が遅い。つまり、伝導中の興奮が心房筋の収縮を房室結節内で待っていることになる。

 

51 

d 標準肢誘導は右手首(−)、左手首(+)、左足首(+)

 

52

c 正常成人の心拍出量は5(l/分)

 

53

b 右手R、左手L、左足Fとしてアイントーベンの三角形を考える。

     T:左手から見た右手の変化だからLR=ベクトルRL

     U:左足から見た右手の変化だからFR=ベクトルRF

     V:左足から見た左手の変化だからFL=ベクトルLF

∴ベクトルRF=ベクトルRL+ベクトルLFよりU=T+V

 

54

c PR(PQ)間隔は心房筋の興奮の始まりから心室筋の興奮の始まりまでの時間。つまり、心房筋の興奮が始まり心房筋が収縮し、房室結節の中を興奮がゆっくり伝わりながら、心房筋が収縮完了するのを待って心室筋へ興奮が伝わるまでの期間。心室筋の収縮はR波の時点で開始される。

 

55 

a 太っている人は体重当たりの脂肪量が増え、水分量はその分減る。

 

56 

 

57

e 炎症で先ず増えるのは好中球。

 

58

c アルブミンが自由にろ過されるのはネフローゼ症候群の時(糸球体が壊れる)で、この場合、尿中へアルブミンがどんどん出て行くので血漿膠質浸透圧が低下し浮腫をおこす。

 

59

c 血液凝固は凝固因子による一連の反応(カスケード)でおこり、組織損傷から始まる外因系と、血管内皮細胞がはがれ露出した血管壁コラーゲンとの接触から始まる内因系があり、ゴールはフィブリノーゲンをフィブリンにすることである。トロンビンはフィブリノーゲンをフィブリンに変えるほか、第X因子、第[因子を活性化し、正のフィードバックによる凝固促進をし、また、凝固が促進しすぎないように、抗凝固因子であるプロテインCを活性化させる。

 

60

a Q:血流 P:血管の両端の圧差 r:血管の半径 η:血液粘性 l:血管の長さ

R:血管抵抗

 

オームの法則:PQR

ポアズイユの法則:Q=πPr^4/8ηl

 

オームの法則よりQPRをポアズイユの法則に代入して

PR=πPr^4/8ηl

これを整理して

R=8ηl/πr^4

血管の半径rが2倍になると、血管抵抗Rは1/16となる。

 

61

a 

(参考)

     中枢神経虚血反射(CNS):短期調節。脳虚血に対して動脈圧を上昇させてこれを解消。作用が強く血圧が250mmHgに達することもある。

     ストレスリラクゼーション:中期調節。動脈圧が過度に上昇すると、血管が数分から数時間持続的に伸展し、血管内圧を正常化させる。

 

62

d 利尿→尿がたくさん出る→体液減少→血圧低下

(参考)

 

     バソプレッシン:抗利尿ホルモン。尿量減少→体液増加→血圧上昇

     レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系:中期調節。血圧上昇→腎血流減少→腎からレニン分泌(血中)→血漿タンパクアンギオテンシノーゲンがレニンによりアンギオテンシンTになる→アンギオテンシンTは肺の酵素ACEにより強い血管収縮作用を持つアンギオテンシンUになる→@アンギオテンシンUの直接作用で血圧上昇 AアンギオテンシンAが副腎に作用しアルドステロンを分泌させ、Na再吸収を増加させて血漿浸透圧を上昇させ、これによって脳下垂体がバソプレッシンの分泌を亢進する(血液の濃度が高いから水分を失いたくない→尿を減らせばいい)ことで、間接的に血圧を上昇させる。

 

63

e 

(参考)

肺胞の肺胞腔側表面は表面活性物質(サーファクタント)を含む組織液で覆われる。サーファクタントは表面張力(液体が収縮しようとする力)を減少させる作用を持つ。表面張力は肺胞腔が小さいほど強い。肺には大きい肺胞と小さい肺胞が混在するが、その表面張力は肺胞が小さいほど強い(つまり、小さい肺胞ほど縮もうとする力が強く膨らみにくい)。このことから大きい肺胞を普通の風船、小さい肺胞をヨーヨー風船に置き換えて、Y字に枝分かれしたストローの先にこれをつけて膨らますことを考えると、柔らかく大きな普通の風船はどんどん膨らむけど小さく硬いヨーヨー風船はたるんだままで一向に膨らまないことが想像できる。サーファクタントが無い場合の肺胞でも同じことがおこり、小さい肺胞は膨らまず虚脱し、大きな肺胞は過剰に膨張する。しかしサーファクタントが有ると、小さい肺胞ではサーファクタント密度が高いため表面張力に拮抗する力が強く、大きい肺胞ではサーファクタント密度が低いため表面張力に拮抗する力が弱いので、大きい肺胞も小さい肺胞も同じ膨らみ易さを持つことができる。

 

64

c

65

b

(64と65の資料)

 

 

 

 

 

 

66

a 

(参考)

酸素解離曲線は、縦軸が酸素飽和度(100%で全てのヘモグロビンに酸素分子が結合している状態)、横軸は血中酸素分圧。右方変移は同じ酸素分圧下で酸素飽和度が下がるわけで、ヘモグロビンと酸素分子の親和性が低下し酸素分子が遊離しやすい状態といえる。右方変移をボアー効果という。右方変移は代謝が亢進したときに放出される物質や、それに伴うpH下降によりヘモグロビンの酸素親和性が低下されるためにおこる。左方変移はこの逆で、代謝産物の放出減少や、それに伴うpH上昇によりおこる。


67

消去法でd。正解は「代償的に尿中のHCO3−濃度が増加する。」or「代償的に血中のHCO3−濃度が減少する。」

酸・塩基平衡に関する資料を以下に示す。(参考)

 

 

 

 

 

 

68

誤りは無い(と思います。)ガイトンP325見てみて!

 

69

a

 

70

c 腎での自動調節の一番の目的はGFRを一定にして水と塩の排泄バランスを保つこと。

 

上のグラフのフラットな部分が自動調節が働いている範囲。

 

 

71

b

上記62の解説にそれぞれの物質がどっから出てくるか書いてます。

 

72

e

K+は近位尿細管で大量に再吸収され、遠位尿細管の後半から集合管で分泌され、分泌の増加にはアルドステロンが関わる。ADHは遠位尿細管の後半から集合管に作用して水の再吸収を増やす。

 

73

e

近位尿細管ではNa,Cl,HCO3-,Kの65%と、グルコース、アミノ酸の100%が再吸収される。間質の浸透圧はヘンレループの方(髄質の内層)ほど高く保たれており、そのため近位尿細管をヘンレループに向かって下行するほど尿は高張となっていき、ヘンレループから遠位尿細管を上行していくと、次第に低張になっていく。この低張尿が集合管内を髄質内層へと下降するときにADHが作用すると、集合管の水の透過性が上昇し、髄質内層ほど高くなっていく浸透圧によって水が集合管外に引き出される。

 

74

a

クリアランスの定義は

尿中に排出された物質Aの量/血中の物質Aの濃度である。

 

尿中の物質Aの量はUmg/ml)×Vml/min.)より求められるので

C=UVP

(参考)

単位時間での(この問題ではVが速度になってるから単位時間)尿中の物質Aの量と等しいC×Pは、単位時間で血中から尿中に移動した物質Aの量である。Pが血中の物質Aの濃度であることをふまえると、このことからCは単位時間で物質Aがろ過される血液量(ml/min.)であるといえる。

注)Vが単に尿量(ml)ならCも単純にAがろ過される血液量(ml)

 

 

 

 

 

75

b

イヌリンは自由にろ過され、再吸収も分泌もされない物質なので、尿中のイヌリン量と、血中からろ過されるイヌリンの量は等しくなる。

・尿中のイヌリン量;尿量×尿中イヌリン濃度

     ろ過されるイヌリン量;ろ過される血漿量(GFR)×血漿イヌリン濃度

よってGFR×血漿イヌリン濃度=尿量×尿中イヌリン濃度より

GFR=尿量×尿中イヌリン濃度/血漿イヌリン濃度 この右辺は、74のクリアランスの定義と同じ。だからGFRがイヌリンクリアランスを反映してると言える。

(参考)

GFR×血漿イヌリン濃度=尿量×尿中イヌリン濃度の式の中で、実測できるのはGFR以外全て。GFRは実測できないので、実測値をつかってGFRを算出しようとしてるのがこの式の意味・・という風に高校生物で習った。

76

解説は73のを見てください。

 

77

解説は62のを見てください。

 

78

腎臓から分泌されるホルモンはレニン、エリスロポイエチン、活性型ビタミンD3

     レニン;62を見てください。

     エリスロポイエチン;低酸素が刺激となって腎臓から分泌され、骨髄に作用して赤血球生成を促す。

     活性型VD3;腸管からのカルシウム吸収を促進して血中カルシウム濃度を上げる。PTHによる骨吸収(骨からCaを遊離させる)を増強させることにより血中カルシウム濃度を上げる。(血中PTH↑で腎から活性化VD3が分泌される)

79

腎臓の障害でタンパク質もろ過されるようになると、血漿アルブミン量が低下し、血漿膠質浸透圧がさがり、間質の方が浸透圧が高い状態になり、浮腫をおこす。

 

 

81

ステロイドホルモンは副腎皮質ホルモンと性ホルモン。

 

 

82

ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)は視床下部から分泌される副腎刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)をうけて下垂体から分泌される。

(参考)

     ○○ホルモン放出ホルモンは視床下部から分泌されて下垂体に働き、○○ホルモンを下垂体から分泌させる。

     ○○刺激ホルモンの分泌は、必ず、○○刺激ホルモン放出ホルモンの分泌に付随する。

     視床下部は全身状態を感知して、ホルモン分泌をコントロールしている(視床下部の分泌するホルモンが、下位のどの器官がどのホルモンを分泌するかを決定する)場合が大多数だが、視床下部からのホルモンによらず、自分で血中のある物質の濃度変化を感知したり、自律神経からの直接刺激を受けたりすることによってホルモン分泌を調整している例外的な下位器官が4つある⇒副腎髄質(アドレナリン、ノルアドレナリン)、ラ氏島(α細胞からのグルカゴン、β細胞からのインスリン)、上皮小体(PTH)、甲状腺がカルシトニンを分泌する時(チロキシン分泌は視床下部のコントロールによる)。なお、この解説は厳密に言うと間違ってる部分があります。でもこれで十分だと思います。

 

 

83

ホルモンの種類

     ステロイド型ホルモン;性ホルモンと副腎皮質ホルモン。

     アミン型ホルモン;甲状腺ホルモン(カルシトニンは違う)と副腎髄質ホルモン(カテコールアミン)。

     ペプチド型ホルモン;上記以外のホルモン。

 

ホルモンの受容のされ方による分類

     ステロイドホルモン;細胞質内の受容体と結合してから核内に入り、DNAに作用してタンパクを合成させる。

     ペプチドホルモンと、甲状腺ホルモン以外のアミン型ホルモン;細胞膜表面の受容体と結合すると、セカンドメッセンジャー以下の細胞内情報伝達系がリン酸化され(活性化され)タンパク合成がおこる。

     甲状腺ホルモン(T3,T4);核内の受容体と結合し、DNAに作用してタンパク合成がおこる。

 

84

a

PTHは血中のカルシウム濃度低下が刺激となって上皮小体(副甲状腺)から分泌され、血中カルシウム濃度を上昇させる方向に働く。PTHの直接作用は、骨吸収(骨からCaを遊離させる)を増強させることにより血中カルシウム濃度を上げることと、腎でのCa2+の再吸収を促進させることである。PTHは腎に作用し活性型VD3を分泌させ、この活性型VD3が消化管からのCa2+吸収を促進させる。

 

85

インスリンはラ氏島β細胞から分泌され、食事等で取り込んだグルコースをグリコーゲンとして蓄える働きをする。つまり食後のリラックスした状態で分泌され、リラックス状態で働くのは副交感神経なのでbの迷走神経(内臓に広く分布する副交感神経)刺激が○。ペプチドホルモンであるインスリンは経口投与しても消化されてしまう。経口投与可能なのはステロイドホルモン。インスリンは2本のポリペプチド鎖がS-S結合した構造である。なお、インスリンは、視床下部―下垂体系の支配を受けずに分泌される例外的なホルモンの一つである(82の解説参照)。

 

 

 

 

平成13年度後半

a

閉経後の卵巣機能低下によるエストロゲンの分泌低下が骨粗しょう症に関係すると考えられている。

 

e

副腎機能低下で最も有名なのはアジソン病。副腎から分泌される電解質コルチコイドは腎でのNa+再吸収を増加させ、体液を保持する方向に働く。電解質コルチコイドが分泌されなくなると、血中Na+量は減少し、血中K+量が増加する(細胞内の電気化学的勾配が変化するから)。

 

e

成長ホルモンは、飢餓、低血糖、運動などにより分泌され、全身でタンパク合成を促進し、グルコースをエネルギー源として利用したり、グルコースを蓄えることを抑制し、脂肪をエネルギー源として利用する方向に作用する。

 

10

d

粥腫形成は中膜構造が破壊され、内膜が肥厚し、肥厚した内膜にコレステロールや脂肪を貪食したマクロファージが蓄積しておこる。

 

11

d

 

18

c

正常;動脈➞組織➞静脈

充血;動脈➡組織➞静脈・・・動脈が拡張して末梢で局所血流量が増加。動脈血が増大。

鬱血;動脈➞組織→静脈・・・静脈が還流障害をおこして静脈血流が停滞し増大する。

 

19

 

 

20

bかe

 

21

a

再灌流障害では急激な血液流入によりスーパーオキシドが細胞を障害する。

 

22

 

23

b

 

55

bなんじゃない?やってないから出らんよ。きっと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平成14年度前半

22.リンパ球について正しいのはどれか。(生理・組織)

 a.リンパ球には特殊顆粒が見られる。
 b.塗沫標本上では赤血球と同じくらいの大きさである。
 c.Bリンパ球とTリンパ球は形態的に区別できる。
 d.核の一側に深い切れ込みが見られる。
 e.細胞質は酸好性である。

 

 【解答】 (b)

 

【解説】

  a:リンパ球は無顆粒白血球であり、その役割は免疫である。

  b:赤血球が直径78μmであり、リンパ球は直径710μmである。したがって、ほぼ同じ大きさと言える。

  c:リンパ球はBリンパ球とTリンパ球に分けられるが、形態的に区別することはできない。

  d:核の一側に深い切れ込みが見られるのは、顆粒白血球(好中球・好酸球・好塩基球)である。リンパ球の核は細胞の大部分を占めるような球形であり、細胞質は乏しい。

  e:リンパ球の細胞質は、塩基性色素で青染される。

 

23.好中球について誤っているのはどれか。(生理)

 a.好中球は白血球全体の35%を占める。
 b.幼若な好中球ほど核の分葉が少ない。
 c.好中球の幼若型が血液中に増加する状態を左方移動という。
 d.顆粒は好酸球より微細である。
 e.貪食能がある。

 

  【解答】  (a)

 

  【解説】

   a:好中球は白血球全体の6570%を占める。

   b:分葉の少ない白血球は比較的若いもので、成熟度が高くなると葉の数が増加する。

   c:好中球を核の分葉によってT〜X型に分け、それぞれの全体に対する百分率を計算すると、正常ではU〜W(特にV)が多いが、病的状態ではTやXが増加する。百分率のグラフにおいて、Tを左方にXを右方にとって描く。分葉の少ない細胞が増加した場合には、左の細胞数が増加するので、左方移動という。分葉の多い核を持つ細胞が増加した場合を右方移動という。

   d:好中球の顆粒には直径300400nmの特殊顆粒と、直径600700nmでアズール色素によって紫色に染色されるアズール顆粒がある。これに対して、好酸球の顆粒は長径0.51μmの楕円形である。

   e:好中球の役割は食作用である。

 

38.ヘモグロビンの酸素飽和度が上昇するのはどれか。(生理)

 a.ヘマトクリット値の増加
 b.ヘモグロビン濃度の増加
 c.体温の上昇
 d.動脈血酸素分圧の上昇
 e.動脈血中水素イオン濃度の上昇

 

  【解答】  (d)

 

  【解説】

   酸素飽和度を上げるには、酸素解離曲線が左方シフトすればよいので、温度低下、pH上昇、CO2低下によって起こる。

    c:体温が上昇すると、酸素解離曲線が右方シフトするので、ヘモグロビン酸素飽和度は低下する。

   d:動脈血酸素分圧が上昇するとCO2分圧は低下し、酸素解離曲線は左方シフトする。

   e:動脈血中水素イオン濃度が上昇すると、pHは下降し、酸素解離曲線は右方シフトする。

 

 

39.プロトロンビンの合成に必要な物質はどれか。(生理)

 a.ビタミンK
 b.ビタミンC
 c.ビタミンD
 d.ビタミンB12
 e.ビタミンA

 

  【解答】  (a)

 

  【解説】

   ビタミンKが欠乏すると、血液凝固機転の阻害(プロトロンビン・Z・\・]因子の減少)を引き起こす。

 

40.播種性血管内凝固症候群(DIC)において高値を示すのはどれか。(生理)

 a.血小板
 b.赤血球
 c.アンチトロンビンV
 d.プラスミン・α2プラスミンインヒビター複合体
 e.フィブリノーゲン

 

  【解答】  (d)

 

  【解説】

   播種性血管内凝固症候群(DIC)

    血管内凝固が広範囲で起こった状態。組織や細胞の破綻や、血管内膜の広範な障害、ショックなどの循環障害、肝障害の結果、全身の細小血管内に広範に血液の凝固を生ずることがある。転移を有する悪性腫瘍、急性白血病(白血病細胞の破綻により、細胞中の凝固活性化物質が放出されるため)、溶血(赤血球中のリン脂質、ADPの放出による)、各種の産科的疾患、感染症(単球、血管内皮中での組織因子形成ないしショックによる)、外傷、熱傷などでこのような状態を生じる。DICでは血栓が多発するが、生じた血栓は線維素溶解作用の結果、比較的早期に溶解され、必ずしも血栓による重篤な肝臓障害を生ずるとは限らない。むしろDICで問題となるのは出血であり、血栓多発の結果、血小板やフィブリノーゲンをはじめとする凝固因子が凝固活性化の過程で消費され低下するためである。したがって、DICの場合、アンチトロンビンV・フィブリノーゲンは著しく減少し、プラスミン・α2プラスミンインヒビター複合体は増加する。

 

43.脳下垂体から分泌されないホルモンはどれか。(生理)

 a.甲状腺刺激ホルモン
 b.副腎皮質刺激ホルモン
 c.糖質コルチコイド
 d.黄体形成ホルモン
 e.オキシトシン

 

  【解答】  (c)

 

 

  【解説】

   下垂体前葉ホルモン

    成長ホルモン(GH)、プロラクチン(PRL)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)

   下垂体後葉ホルモン

    バゾプレッシン(抗利尿ホルモン)、オキシトシン(乳汁放出作用)

   副腎皮質ホルモン

    電解質コルチコイド(アルドステロン;球状層)、糖質コルチコイド(コルチゾル、コルチコステロン;束状層)、副腎アンドロゲン(デヒドロエピアンドロステロン;網状層)

 

44.ステロイドホルモンの生合成でエストラジオールの前駆体はどれか。(生理)

 a.テストステロン
 b.19−ヒドロキシテストステロン
 c.19−オキソテストステロン
 d.エストロン
 e.アンドロステジオン

 

  【解答】  (a)

 

  【解説】

   エストラジオールの前駆体は、テストステロンである。

 

 

平成14年度後半

23.中性脂肪の染色法はどれか。(生理)

 a.コンゴー赤染色
 b.PAS染色
 c.ルクソール・ファーストブルー染色
 d.エラスチカ・ワンギーソン染色
 e.ズダン黒染色

 

  【解答】  (e)

 

  【解説】

   中性脂肪の染色法は二つあり、ズダン黒B染色とオイル赤O染色である。

 

24.播種性血管内凝固症候群(DIC)の基礎疾患として高頻度なのはどれか。(生理学)

 a.悪性腫瘍
 b.血友病
 c.肝硬変
 d.粥状硬化症
 e.大動脈瘤

 

  【解答】  (a)

 

  【解説】

   DICの原因

   ・組織因子の放出…溶血現象、癌、脂肪塞栓症、火傷、外傷などの組織障害

   ・血管内皮細胞障害…大動脈瘤、溶血性尿毒症症候群、急性糸球体腎炎、人工心臓弁置換

   ・重症感染症…細菌性の敗血症、ウイルス性、寄生虫性、真菌性

   ・血管奇形…Kasabach-Merritt症候群

    ※悪性腫瘍、産婦人科疾患、感染症に高頻度に合併する。

 

25.浮腫の機序として正しいのはどれか。(生理学)

 a.毛細血管圧の下降
 b.組織圧の上昇
 c.血漿膠質浸透圧の上昇
 d.組織膠質浸透圧の下降
 e.リンパ管の閉塞

 

  【解答】  (e)

 

  【解説】

   浮腫

    間質腔に過剰の水分が貯留した状態を浮腫という。組織液量は毛細血管の濾過−再吸収量と、リンパ系を通じての排出量のバランスで定まる。したがって濾過の増大、再吸収の減少、リンパ流の障害が起これば浮腫が発生する。濾過−再吸収にあずかる要因は、毛細血管の水透過性、毛細血管圧、血漿膠質浸透圧、組織圧、組織液膠質浸透圧の五つであるが、そのうち組織圧と組織液膠質浸透圧はその値も小さく、あまり変動しないと考えられるので、浮腫発生の機序としては、次の四つを考えればよい。

   (1)毛細血管壁の傷害

     著しい高・低温、あるいはなんらかの化学物質によって毛細血管壁が傷害されると、壁の水透過性は高まる。通常は濾過>再吸収で、毛細血管全体としてみると正味の濾過が起こっている。したがって水透過性が高まれば正味の濾過量も増し、リンパ路で運び出しきれないまでになれば浮腫が発生する。このときにはタンパク質の透過性も高まっており、組織液膠質浸透圧の増大、血漿膠質浸透圧の減少も浮腫の生成を助長する。

   (2)平均毛細血管圧の上昇

    平均毛細血管圧の上昇は外向き駆動力を増強し、濾過量が増大する。

   (3)血漿膠質浸透圧の低下

     血漿膠質浸透圧は主要な内向き駆動力であるから、その低下は再吸収の減少→濾過の相対的増加をもたらす。血漿膠質浸透圧の低下は血漿タンパク濃度の低下による。すなわち、血漿タンパク生成の低下、血漿タンパクの喪失、血液の希釈に続発する。Naが浮腫因子として働くのは、一つには腎でのNa再吸収に伴って水の再吸収が増加し、循環血液量増加→血漿タンパク濃度低下が起こるからである。

   (4)リンパ管の通過障害

     毛細血管での濾過−再吸収の帳尻を合わせて組織液量を正常に保っているのが、リンパ管を通じての運び出しであるから、この搬出路に障害が起これば当然、組織液の貯留を生ずる。

 

35.胃の粘膜上皮の中に杯細胞やパネット細胞が見られる現象をなんとよぶか。(生理学?)

 a.肥大
 b.化生
 c.過形成
 d.異形成
 e.退形成

 

  【解答】  (b)

 

  【解説】

   胃の腸上皮化生

    本来の胃粘膜が慢性の刺激を受けて、杯細胞やパネート細胞を伴った腸粘膜上皮の性格をおびるようになったもの。

   

   a:肥大…細胞が大きくなった結果として、臓器が大きくなること。

   c:過形成…細胞の増殖を伴う臓器や組織の容積の増大。

   d:異形成…細胞の大きさ、形態、配列の異常および核の大きさ、染色体などが正常と異なる形態を示す。前癌病変として捉えられることが多い

   e:退形成…異形成より更に、細胞、核の形態、配列の異常、細胞分裂像が多いほど正常から大きく逸脱した状態で、悪性腫瘍の指標となるような変化である。

 

36.ウイルス感染に反応して出現する炎症細胞はどれか。

 a.リンパ球
 b.好中球
 c.好塩基球

 d.好酸球
 e.肥満細胞

 

 【解答】 (a)

 

 【解説】

ウイルス感染における炎症性細胞反応はTリンパ球とマクロファージが主体であり、広範な壊死や化膿菌の二次感染を伴わない限り好中球浸潤を欠く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平成15年度前半

問題1 浸透圧平衡が成立したあと、数リットルの高張食塩水を輸液した場合、正しいのはどれか。

a、細胞内浸透圧が低下する。

b、細胞容積に変化は起こらない。

c、細胞内液量が低下する。

d、血漿浸透圧が低下する。

e、組織間質液の浸透圧が低下する。

 

解答

高張食塩水は血管内に入る。そのため、細胞内液より血管内の方が濃度が高くなるので、

細胞内液の水分が血管内に移動する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え.c

問題19 排卵の直前に一過性の大量放出されるホルモンはどれか。

a、黄体形成ホルモン

b、オキシトシン

c、プロゲステロン

d、エストロゲン

e、卵胞刺激ホルモン

 

解答

      

上図参照

 

 

答え.a

問題22 血小板を活性化させるのはどれか。

a、トロンボポエチン

b、エリスロポエチン

c、コラーゲン

d、フィブリノーゲン

e、ヘモグロビン

 

解答

      

 

上図参照

 

 

答え.c

問題25 卵巣の組織について誤っているのはどれか。(生理学)

a、原始卵胞、二次卵胞、成熟卵胞の順に卵胞は発育する。

b、卵巣の表面は腹膜上皮で覆われている。

c、発育を途中でやめ、退行変性しつつある卵胞を閉鎖卵胞という。

d、胚上皮は卵の産生にあずかる。

e、内卵胞膜からはエストロゲンが分泌される。

 

解答

・卵巣の表皮を覆う上皮は、かつてここから卵子が発生すると考えられ、「胚上皮」と呼ばれた。

・通常、多数の原始細胞が成熟過程に入り成長していくが、排卵に至る細胞はただひとつである。

・閉鎖卵胞→退縮した卵胞では卵細胞が変性、消失し、組織は白体と同じ構造をとるよう

 になる。

答え.e

問題27 脂肪をエネルギー供給源として利用できない臓器はどれか。

a、筋肉

b、脳

c、心臓

d、腎臓

e、赤血球

 

解答

    

 

上図からでは、選択肢のaeのどれも当てはまるが、唯一臓器でないのが赤血球である。

 

 

答え.e

 

 

問題32 クリアランスにより糸球体濾過量を測定するのに適さない物質の特性はどれか。

a、糸球体で自由に濾過される。

b、尿細管で分泌される。

c、尿細管で再吸収されない。

d、代謝されない。

e、腎臓に蓄積されない。

 

解答

 

クリアランス→ある物質が尿中に排出されるとき、その毎分の排泄量を含む血漿量。

 

 Ex)ある物質の血漿中の濃度が0.1mg/100mlであり、この物質が0.1g/minの割合で尿へ

   排出されたとすれば、毎分その物質が100mlの血漿からclearされたことになるので、クリアランスは100ml/minとなる。物質xのクリアランスをCx    (ml/min)、尿生成速度をV(ml/min)、尿中濃度をUx、血漿濃度をPxとすると、

 

Cx=UxV/Px

 

クリアランスは物質の尿と血漿中の濃度から容易に算出できる。一般にクリアランスはGFRとともに増す。また尿細管での再吸収や分泌も関係するので、血漿濃度で変化しうる。

                       ↓

糸球体濾過量を測定したいのに、「b、尿細管で分泌される」と正確に測定できない。

 

 

 

 

 

 

答え.b

問題33 精細胞分化過程において有糸分裂をするのはどれか。

a、休止期第一次精母細胞

b、精子細胞

c、精原細胞

d、第二次精母細胞

e、始原生殖細胞

 

解答

  

 

有糸分裂→染色体・紡錘体などの形成を伴う核分裂。体細胞分裂と減数分裂がある。

単に有糸分裂と言ったときには減数分裂を含めないことが多い。

 

無糸分裂→核分裂において、染色体において、染色体、紡錘体形成を伴わないもの。

 

精原細胞=精祖細胞である。

 

 

答え.e

問題34 ペプチドホルモンはどれか。

a、エピネフリン

b、デキサメタゾン

c、チロキシン

d、インスリン

e、アンドロゲン

 

解答

アミン系ホルモン

チロシンの誘導体。副腎髄質から分泌されるカテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン)はチロシンの水酸化と脱炭酸、甲状腺ホルモンはチロシンのヨウ素化によって生成される。

心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)または心房性ナトリウム利尿因子(ANF)

ヴァソプレッシン(抗利尿性ホルモン)

成長ホルモン

インシュリン

オキシトシン

ソマトスタチ(成長ホルモン分泌抑制ホルモン)

 

ペプチドホルモン

  一般のタンパク質と同様にアミノ酸のペプチド結合により作られる。大分子量のプレプロホルモンとして合成され、小胞体でシグナルペプチドが切断されてプロホルモンとなり、プロホルモンはさらに切断されて活性型のホルモンとなる。

     ・下垂体ホルモン

     ・膵島ホルモン

     ・上皮小体ホルモン

 

ステロイドホルモン

  コレステロールから合成される。副腎皮質ホルモン、精巣ホルモン、卵巣ホルモンなど。甲状腺ホルモン以外の生理活性アミンとペプチドホルモンは、分泌細胞の小胞(分泌顆粒)に貯えられ、刺激により開口分泌で放出される。ステロイドホルモンは脂溶性であるから、細胞膜を通過して細胞外に出る。内分泌器官は有窓型毛細血管を備えており、組織液間のホルモンはここから血中に入る。血中では甲状腺ホルモン、ステロイドホルモンおよびペプチドホルモンの一部は血漿タンパク質結合して運ばれるため、腎糸球体での濾過による体外喪失を免れる。

 

 

 

 

 

 

 

答え.d

問題38 播種性血管内凝固症候群(DIC)で誤っているのはどれか。(生理学)

a、凝固系因子の低下

b、線溶系因子の低下

c、血小板数の低下

d、白血球の増加

e、赤血球の変形

 

解答

播種性血管内凝固症候群(DIC)

 種々の疾患において全身の小血管に微小血管が生じる状態を言う。その進行過程は血管

内皮細胞の傷害あるいは血栓形成因子の放出→微小血栓形成→血小板減少と凝固因子の

消費→繊維素溶解機構が亢進→出血傾向(消費性凝固障害 consumption coagulopathy)

がみられるが、一方では血栓形成のため臓器の虚血、梗塞を引き起こす。

 

A.線溶系

     DICの原因となる病態を下図に示す。ここは凝固系と線溶系のバランスが崩れ、フィブリン血栓による臓器障害と出血傾向が見られる。

   

B.病態生理

     フィブリン血栓のよく見られる臓器は腎、皮膚、肺などであり、その他に脳、肝などにも認められる。

@     腎:急性尿細管壊死→乏尿、無尿

A     肺:浮腫、フィブリン析出→びまん性肺胞傷害(DAD)、成人呼吸窮迫症候群    

    (ARDS)

B     脳:小出血、壊死→意識障害、けいれん

   

  

 

 

答え.d

問題40 右の後頭葉が障害をうけたときに生じる視野欠損はどれか。(生理?神経?)

a、両眼の左視野欠損

b、左眼の耳側視野欠損

c、両眼の右視野欠損

d、右眼の鼻側視野欠損

e、左眼の左視野欠損

 

解答

  

上図参照

 

 

 

答え.a

問題42 アルドステロンについてもっとも適当なのはどれか。

a、体内におけるNaKのホメオスタシスに必須である。

b、主に近位尿細管に作用する。

cNa排泄を高める。

dACTHによって調整される。

e、レニン分泌を促進する。

 

解答

 

アルドステロン(副腎皮質ホルモン)

     遠位尿細管に働く

     Naの再吸収の促進

     KHの分泌

     ACTHにより調節される。

 

 

 

レニン分泌の亢進

     傍糸球体装置付近での腎動脈圧の低下

     緻密斑でのClの輸送量の低下

     交感神経の興奮

     プロスタグランジンによる傍糸球体装置への直接作用

     アンギオテンシンUの低下

 

 

答え.a(またはd)

問題49 糸球体で濾過されたグルコースが再吸収される場所で正しいのはどれか。(生理)

a、近位尿細管

b、ヘンレのループの下行脚

c、ヘンレのループの上行脚

d、遠位尿細管

e、集合管

 


解答

  

上図参照

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え.a

平成15年度後半

問題1 尿の濃縮にかかわらないのはどれか。

a、対向流機構

b、髄質の中に存在するヘンレのループ

c、髄質の中に存在する直血管

d、近位尿細管

e、集合管

 

解答

 

 

 

 

直血管→乾湿の浸透圧維持

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え.c

問題2 膵臓導管細胞からの水と電解質の分泌を促進するホルモンはどれか。

a、コレチストキニン

b、ドパミン

c、ガストリン

d、ソマトスタチン

e、セクレチン

 

解答

  

     名称

  産生部位

主な作用

ガストリン

胃前庭、十二指腸

胃酸分泌促進、胃粘膜増殖

ソマトスタチン

腸全体

ホルモン分泌抑制

セクレチン

十二指腸、回腸

膵電解質分泌促進、胃酸分泌抑制

コレシストキニン(CCK)

十二指腸、回腸

胆嚢収縮、膵酵素分泌促進、膵臓外分泌腺の増殖

胃抑制ペプチド(GIP)

十二指腸、回腸

インスリン分泌の促進、胃酸分泌抑制

モチリン

十二指腸、回腸

収縮の増強

腸管グルカゴン

回腸、大腸

胃酸分泌減少

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え.e

問題4 消化管から得られた組織像を示す。

正しいのはどれか。

a、食道

b、胃

c、小腸

d、結腸

e、直腸

 

解答

 

     円柱上皮がみとめられる。

     胃小窩あり

     胃底腺あり

     筋層なし(食道、小腸、結腸、直腸にはあり)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え.b

問題5 月経周期が28日の女性において、最終月経開始日から起算して9日目の

状態で正しいのはどれか。

a、子宮は分泌期にある。

b、卵巣は黄体期にある。

c、卵胞は発育・成熟過程にある。

d、卵巣では、プロゲステロン優位の分泌がなされている。

e、妊娠の可能性がある

解答

答え.c

問題15 生理活性アミンでないものはどれか。(生化学?生理?)

a、ヒスタミン

b、セロトニン

c、アドレナリン

d、ドーパミン

e、グルタミン

 

解答

 

 

・アミン→アンモニア水素原子炭化水素基で1つ以上置換した化合物の総称である。

   

                          

   アミンの一般構造式

 

 

 

 

・ヒスタミン、セロトニン、アドレナリン、ドーパミンは生理活性あり。(生理的に強い作用を示す。)

 

生理活性アミン

 チロシンの誘導体。副腎髄質から分泌されるカテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン)はチロシンの水酸化と脱炭酸、甲状腺ホルモンはチロシンのヨウ素化によって生成される。

心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)または心房性ナトリウム利尿因子(ANF)

ヴァソプレッシン(抗利尿性ホルモン)

成長ホルモン

インシュリン

オキシトシン

マトスタチン(成長ホルモン分泌抑制ホルモン)

 

 

 

 

 

答え.e

問題18 消化管内膜を拡散により通過して吸収されるのはどれか。(生理)

a、グルコース

b、アミノ酸

c、脂肪酸

d、ペプチド

e、ラクトース

 

解答

a、グルコース…Naとの共通の担体で、小腸上皮細胞内に共輸送で流入

b、アミノ酸…一部はNaとの共輸送で、一部はNa非依存性輸送で細胞内に流入

c、脂肪酸…脂肪酸とモノグリセリドは細胞内に拡散する。

d、ペプチド…Hとの共輸送で細胞内に輸送

e、ラクトース…グルコースとガラクトースに分解→aと同様

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え.c

問題20 呼吸器系(鼻腔から気管支)の粘膜上皮はどれか。

a、重層扁平上皮

b、単層円柱上皮

c、重層円柱上皮

d、多列線毛上皮

e、移行上皮

 

解答

 

      

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え.d

問題28 必須ビタミンでないものはどれか。

a、サイアミン

b、パントテン酸

c、葉酸

d、ビタミンC

e、ビタミンD

 

解答

ビタミンは食物中に微量に含まれ、物質代謝の触媒として働く。生体内では合成されない必須有機物である。ヒトに必要なビタミンの作用などを上図に示す。

 

サイアミン→チアミン

 

12種類の必須ビタミンとは、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、パントテン酸、ビタミンC12種類のビタミンのことをいう。

 

※該当する答えなし

問題31 毛細血管内から組織間質腔へ水を移動させるのはどれか。

a、血漿膠質浸透圧

b、血液の酸素分圧

c、血液の二酸化炭素分圧

d、リンパ管圧

e、組織間質液圧

 

解答

 

上図参照

 

 

 

 

答え.e

問題33 負のフィードバック機構について正しいのはどれか。

a、環境の変化をより強める方向に働く。

b、身体の各器官系が独立して働くように作用する。

c、受容体が生体の変化を感知して調節中枢に情報伝達する。

d、ホメオスタシスの維持には正のフィードバック機構のほうが重要である。

e、内因系凝固因子の活性化にあてはまる。

 

解答

a→正のフィードバック

b→あてはまらない。

d→両方重要である。

e→正のフィードバックが関与する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え.c

問題39 血液精巣関門の形成に関与する細胞はどれか。(生理学)

a、血管内皮細胞

b、精祖細胞

c、間質細胞

d、精母細胞

e、セルトリ細胞

解答

答え.e

問題50 性性周期の黄体期に分泌の増加するホルモンはどれか。

aLH-RH

bLH

cFSH

d、プロゲステロン

e、テストステロン

 

解答

 

答え.d

 

 

 

 

平成16年度前半

1 乳腺の乳汁分泌を促し、子宮を収縮するホルモンはどれか。(生理)

   a. プロラクチン

   b. オキシトシン

   c. リラキシン

   d. カルシトニン

   e. 卵胞刺激ホルモン

 

正解b?(乳汁を分泌するのはaだし、子宮を収縮するのはb。乳汁の排出のことを乳汁の分泌と考えると答えはb)

プロラクチンが乳腺腺胞の上皮細胞から乳汁の分泌を促進し、オキシトシンが排出を促す。オキシトシンは乳管の平滑筋を収縮させて射乳をもたらし、子宮筋収縮を増強する。

リラキシンはポリペプチドで、妊娠時に恥骨結合と骨盤関節を緩め、子宮頚部を広げる。

カルシトニンは甲状腺の傍濾胞細胞から分泌され、血中のカルシウム濃度を下げる。

卵胞刺激ホルモンは男性では精子形成に、女性では卵胞の初期の成長を促進するのに働き、どちらもインヒビンを分泌させ、フィードバック作用により、卵胞刺激ホルモンの分泌を抑制する。

 

2 心臓のペースメーカーはどれか。(生理)

   a. 洞房結節

   b. 房室結節

   c. プルキンエ線維

   d. 房室束

   e. 右束脚

 

正解a

洞房結節は全体の歩調取り、すなわちペースメーカーの役割を果たす。この細胞では、歩調取り電位、ペースメーカー電位が自発的に発生し、活動電位を発火させる。房室結節細胞やプルキンエ線維にも自発的興奮性はあるが、閾膜電位に達する前に興奮が伝導してくるので、これらの細胞は潜在的ペースメーカーである。

 

4 造血について誤っているのはどれか。(生理)

   a. 造血幹細胞からすべての血球が産生される。

   b. 造血幹細胞は末梢血にも存在する。

   c. 造血は骨髄の脂肪酸で盛んに行われる。

   d. 顆粒球を特徴づける特殊顆粒は骨髄球の段階で出現する。

   e. 赤血球は成熟過程で脱核をする。

 

正解c

脂肪髄とは、脂肪組織に変化し、造血能力の失われているものである。赤色骨髄は造血にあずかる。

 

8 膵液分泌について正しいのはどれか。(生理)

   a. 膵液は酸性を示す。

   b. 導管系で消化酵素が分泌される。

   c. 腺房細胞で酸が分泌される。

   d. コレチストキニンは消化酵素の分泌を促進する。

   e. セクレチンは重炭酸イオンの分泌を促進する。

 

正解d

膵液はアルカリ性であり、酵素の最適pHはほぼ8.0であるので、小腸に送られてくる酸性の内容物を中和し、この中は作用は消化に重要である、導管系では酸が分泌され、腺房細胞では消化酵素が分泌される。セクレチンは重炭酸イオンの分泌を促進する。

 

14 呼吸の制御について正しいのはどれか。(生理)

   a. 血液中のpHに感受性があるのは頸動脈体である。

   b. 延髄には血中の酸素分圧に感受性のある領域がある。

   c. CO2ナルコーシスでは延髄の化学受容器が働かない。

   d. 呼吸筋は迷走神経によって支配されている。

   e. 気道拡張は交感神経によるα受容体刺激である。

 

正解a

末梢の化学受容器は頚動脈小体と大動脈小体である。中枢の化学受容器は延髄の腹側面外側表面にある。

COナルコーシスとは中枢化学感受機能や呼吸器系の働きが低下することにより、二酸化炭素分圧が急激に70mmHgをこえることで生じる炭酸ガス麻酔効果。呼吸は抑制される。また、重要な呼吸筋は脊髄前角の運動ニューロンによって支配されている。横隔膜は横隔神経に、外肋間筋は肋間神経に支配されている。

 

 

15 血漿カルシウム濃度の調節機構で誤っているのはどれか。(生理)

   a. PTHによる骨吸収

   b. カルシトニンによる骨形成

   c. 活性化ビタミンD3による腸管からの吸収

   d. PTHによる腎臓での再吸収

   e. 活性化ビタミンD3による腎臓での排泄

 

正解e

活性化ビタミンD3は腸管からの吸収と腎臓からの再吸収の調節をしている。

 

 

16 血友病について誤っているのはどれか。 (生理)

   a. 凝固第[因子は血管内皮細胞で産生される。

   b. 日本では血友病Aの方が血友病Bより多い。

   c. 血友病Aは伴性劣性遺伝である。

   d. 血友病Bは凝固第\因子の欠損である。

   e. 血友病Aの女性は保因者である。

 

正解a

凝固第[・\因子は肝臓で合成される、血管内皮細胞で合成されるのはvWFである。

 

17 すい臓から消化酵素に富む膵液の放出を促すのはどれか。 (生理)

   a. グルカゴン

   b. ガストリン

   c. セクレチン

   d. コレシストキニン

   e. パンクレオザイミン

 

正解d

消化酵素の分泌はコレシストキニン(CCK)によって促進される。

グルカゴンは胃酸の分泌減少、ガストリンは胃酸の分泌促進、セクレチンは胃酸分泌抑制と重炭酸イオン分泌促進、パンクレオザイミンは腺房細胞を刺激し、外分泌を促進する。

 

18 女性の基礎体温を上昇させるホルモンはどれか。 (生理)

   a. 黄体形成ホルモン

   b. オキシトシン

   c. プロゲステロン

   d. エストロゲン

   e. 卵胞刺激ホルモン

 

正解c

プロゲステロンの働きによって基礎体温は上昇する。排卵後、基礎体温は上昇し、高温相となる。プロゲステロンは排卵後黄体から分泌される。

 

20 浮腫の原因として適当でないのはどれか。 (生理)

   a. 血漿膠質浸透圧の上昇

   b. 毛細血管内静止圧の上昇

   c. 血漿タンパク質濃度の低下

   d. 毛細血管透過性の亢進

   e. リンパ管の閉塞

 

正解a

浮腫の原因は

@     毛細血管圧の上昇(細動脈の拡張、細静脈の収縮、静脈圧の上昇)

A     血漿膠質浸透圧の低下(低タンパク血症)

B     リンパ管の閉塞

C     毛細血管の透過性上昇(ヒスタミン)

D     細胞外液量の増加(腎障害)

 

22テストステロンの前駆物質はどれか。 (生理)

   a. アルドステロン

   b. コルチコステロン

   c. アンドロステンジオン

   d. 17β−ヒドロキシプロゲステロン

   e. 5α−ジヒドロテストステロン

 

正解c

アンドロステンジオン→テストステロン(男性ホルモン)→エストラジオール(女性ホルモン)→エストリオール

 

23 精子形成過程で有糸分裂をする段階の細胞として正しいのはどれか。 (生理)

   a. 精子細胞

   b. 精原細胞

   c. 第一次精母細胞

   d. 第二次精母細胞

   e. 始原生殖細胞

 

正解b

     始原生殖細胞―自己増殖

     精祖細胞(精原細胞)―有糸分裂

     一次精母細胞―第一減数分裂

     二次精母細胞―第二減数分裂

     精子―成熟(成長)

 

24 核酸の塩基について誤っているのはどれか。 (生理)

   a. アデニン−プリン核

   b. チミン−ピリミジン核

   c. グアニン−プリン核

   d. シトシン−プリン核

   e. ウラシル−ピリミジン核

 

正解d

(プリン―ピリミジン)

A―T(U)、G−C

 

28 出血時間が正しい延長するものはどれか。 (生理)

   a. ビタミンB12欠乏症

   b. ビタミンC欠乏症

   c. ビタミンK欠乏症

   d. 葉酸欠乏症

   e. 鉄欠乏症

 

正解c

・ビタミンK5は特に抗出血性ビタミンと呼ばれる。

V.B12欠乏―悪性貧血になる。

V.C欠乏―壊血病

・葉酸欠乏―巨赤芽球性貧血

・鉄欠乏―鉄欠乏性貧血

 

49 DICの機序として誤っているのはどれか。 (生理)

   a. 凝固因子の血管内流入

   b. 血小板凝集

   c. 血栓形成

   d. 血小板増加

   e. 出血

 

正解d

血小板は凝固の為、過剰に使用されてしまうので極端に減少する。

 

平成16年度後半

39 消化酵素の平滑筋細胞と骨格筋細胞の両者において、共通する性質はどれか。(生理)

   a. 細胞内カルシウムイオン濃度の上昇が契機となって筋が収縮する。

   b. カテコールアミンによって過分極する。

   c. 自律的に脱分極する。

   d. 横紋構造が認められる。

   e. 機械的刺激によって脱分極する。

 

正解a

カテコールアミンによって過分極するのは神経系。自律的に脱分極するのは洞房結節細胞である。横紋構造が認められるのは骨格筋と心筋である。また、機械的刺激によって脱分極するのは骨格筋である。

 

44 浮腫の発生機序について誤っているのはどれか。 (生理)

   a. 火傷による浮腫…血管透過性の亢進

   b. 乳癌術後の患側肢の浮腫…リンパ管の閉塞

   c. 心不全による浮腫…毛細血管内圧の上昇

   d. ネフローゼの浮腫…血漿膠質浸透圧

   e. 腎不全の浮腫…Na再吸収亢進

<解答>

e

<解説>

a.火傷や炎症により、血管透過性は亢進され、浮腫がおこる。

b.根治的乳房切除術は多くのリンパ管を切除するので、術後に胸部や腕からの水分の還流が障害され、組織の浮腫と腫脹が起こる。

c.心不全では通常のように静脈から動脈へ血液を心臓が拍出出来なくなる。この結果、  静脈圧と毛細血管圧が上昇する。

d.ネフローゼ症候群では、糸球体の透過性が亢進することにより尿中へタンパク質が排泄 される。この結果、血液中の血漿タンパク質は大量に喪失されるため、血症膠質浸透圧が低下して浮腫が起こる。

e.腎不全では、尿からの塩分と水分排泄が障害されている。このために全体の間質液の増加がおこって細胞外液浮腫がおこるのであって、Naの再吸収が促進されるからではない。


平成17年度前半

9.正解a

胎生期では主に肝臓で造血を行っている。(脾臓でも造血が行われる)しかし出生時期が近づくにつれ、その造血能は弱まり、代わりに骨髄での造血が支配的となる。出生後は骨髄での造血となり、椎骨、胸骨、腸骨などでは長く造血機能が維持される。

 

10正解b

(a)      瞳孔括約筋は瞳孔散大筋とともに虹彩部にあり、瞳孔の拡大、収縮に関与する。水晶体の厚みを変えるのは毛様体である。

(b)      正しい

(c)       眼房水は前眼房から強膜静脈洞(シュレム管)から吸収される。

(d)      白内障は水晶体タンパクの変性によって起こる。その変性を誘発する因子として加齢、ある種の薬物、糖尿病がある。なお、(d)の記述は緑内障である。

(e)       e)の記述は遠視についてである。

 

11正解b

楔状束は頚、上肢、上胸部からの感覚を上行性に伝える神経線維であるので、腰髄には存在しない。薄束は下肢などからの感覚を上行性に伝える神経線維である。

 

12正解b

a)(c)(d)(e)正しい

(b)体性感覚に伝える1次ニューロンの細胞体は脊髄神経節にある。

 

13正解b

写真は、子宮の様子を表しており、これをみると、子宮腺が太くなりまた長くなっているのが分かる。また、内膜は血管が密で浮腫様になっており、分泌期になっていることが分かる。子宮周期が分泌期のとき、卵巣周期では黄体期に入っており、黄体が見られる。

 

14正解b

l         中枢神経系にのみ見れるグリア細胞は次の4つ(星状膠細胞、希突起膠細胞、小膠細胞、上衣細胞)

l         シュワン細胞や衛星細胞は末梢神経系に存在する。

 

19正解e

前頭連合野に損傷を受けた人は人格が大きく変わり、社会生活行動における抑制がきかなくなる。

 

l         大脳の右半球と左半球をつなぐ脳梁部が傷害された人では、各半球の担う機能の統合ができなくなる。

左半球(話すこと、書くこと、右側の主体認識、計算など)

右半球(空間的能力、左側の主体認識など)

各半球が障害された場合、その半球の伴う機能が低下または消失する。

 

20正解e

(a)      ナトリウムイオンだけを選択的に通す。

(b)      閾値を超える脱分極によってチャネルは開く

(c)       濃度勾配に従ってもイオンを通す。

(d)      チャネル自体にイオン流入の方向性を決定する構造はない。

(e)       電位依存性ナトリウムチャネルは脱分極によってゲートを開くが、その後に不活性化状態(ゲートが閉じる)になる。

 

21正解e

男性の精子形成は思春期に始まるが、女性の卵子形成は胎児の段階から始まる。

(a)      一次卵母細胞は出生時に形成されている。

(b)      胎児段階から第一減数分裂は始まっている。

(c)       減数分裂で卵子となるのは一つだけ、他の3つは極体となる。

(d)      減数分裂第2期の中期の状態で排卵される。

(e)       正しい

 

22正解d

(a)      受精は卵管内(卵管膨大部)で起こる。

(b)      1つの精子が卵子侵入すると、他の精子が卵子に侵入できないようなブロック機構がある。

(c)       受精後24時間くらいで卵割は開始される。

(d)      正しい

(e)       卵巣と卵管は直接つながっていない。膜腔に放出された卵子を卵管采で受け止めている。

 

23正解d

(a)      同側の屈筋運動ニューロンが興奮するので屈曲ができる。

(b)      屈曲反射は脊髄で介在ニューロンを解した多シナプス性の反射である。

(c)       反射なので、随意運動を司る錘体路は経由しない。

(d)      屈曲反射は画鋲などを踏んだときなどに見られる反射である。その際、痛みに対して引っ込めた(屈曲した)足と反対の足では、体のバランスを保つため、伸筋反射が起きている。(正しい)

(e)       対側の伸筋運動ニューロンが興奮する際、屈筋運動ニューロン弛緩する。一般的に拮抗筋同士の競合を防ぐために、相反神経支配を受けている。(ある筋の収縮とその拮抗筋の弛緩を同時に起こす神経回路がある。)

 

24正解d

(a)      網膜に投影された情報は視神経を介して、まず外側膝状体に伝えられる。そこで、ニューロンを変えて後頭皮質にある第1次視覚野にいたる。そこからの経路は、背側(頭頂経路)と腹側(側頭経路)2つに大別される。

(b)      物体認知に関与するのは頭頂連合野である。

(c)       物体の位置の情報は頭頂連合野で処理される

(d)      正しい

(e)       顔の認識は側頭連合野の部分が関与する。

 

25正解a

一次体性感覚野における身体部位に対応した領野の大きさは各身体部位に存在する感覚受容ニューロンの数に比例する。(感覚受容ニューロンが多いほど領野は大きい)

二点弁別閾が小さければ小さいほど感覚受容ニューロンの密度が高いことを示す。逆に二点別弁域が大きいほど感覚受容ニューロンの密度は低い。

 

26正解c

横紋構造を示すのは骨格筋が心筋だけである。

 

27正解b

骨格筋を支配する運動ニューロンは前角に分布し、そこから前根を介して軸索を骨格筋へ伸ばしている。

 

28正解d

(d)以外は各感覚器からの情報を受け取り、処理している。(入力部)運動野(1次運動野)からの指令は皮質脊髄路を通って、運動ニューロンへ伝えられる(出力)

 

29正解c

a.      卵胞期では血中にエストロゲンが見られる。これは内莢膜細胞由来である。

b.      子宮内膜は月経期もしくは増殖期である。

c.       正しい

d.      最終月経開始日から起算して2週間未満である。

e.       わかりませーん

 

30正解c

a.      アトロピンはムスカリン受容体の阻害剤である。ムスカリン受容体はアセチルコリンと結合して心拍数を下げる

b.      β受容体はカテコールアミンと結合し、Gタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼを活性化し、cAMPの生成を促す。cAMPは心拍数を上げる方に働く。

c.       心拍数の変化は主に歩調取り電位の勾配によって左右される。迷走神経刺激では歩調取り電位の勾配がなだらかになるため、閾膜電位に到達する時間が長くなり、心拍数が減る。

d.      上記bの理由による。

e.       お風呂とかでは心拍数あがるじゃん?

 

32正解b

局所性に血管拡張を起こす物質としては二酸化炭素、乳酸、カリウムイオン、アデノシン(ATPの分解物)、水素イオンなどである。

 

33正解a

(a)      パラアミノ馬尿酸(PAH)は、腎血漿流量(RPF)のよい指標となる。なぜなら、この物質は腎で代謝も生成もされず、また除去率が高く(約90%)、容易に変化がみられるからである。(参考)腎血漿流量は、ある物質が一定時間内に腎に取り込まれる量を測定し、この値を、その物質の動静脈中の濃度差で割って測定できる。

(b)      パラアミノ馬尿酸の除去率は(約90%)と高いが、すべてが除去される分けではない。

(c)       パラアミノ馬尿酸の血中濃度が高くなりすぎると、その除去率は低下する。すなわちクリアランスも低下する。なぜならろ過される量にも限界があるし、また尿細管から分泌される量にも限界があるから。

(d)      一般的に高齢になると低下する。

(e)       平均630ml/分〜700ml/分である。

 

34正解d

(a)      刺激伝導系は特殊心筋である。

(b)      迷走神経は心臓に対して副交感神経として作用するので、この神経の興奮により脈拍数は低下する。

(c)       このペースメーカー電位を発生させているのは洞房結節である。

(d)      正しい

(e)       通常の呼吸運動が脈拍数に影響を及ぼすことはない。確かに吸気時には胸腔内圧は上昇するが、正常範囲なら問題ないと思われる。

 

35正解a

(a)      心筋にはプラトー期があるので、不応期が骨格筋よりも長くなる。

(b)      心筋は強縮(高頻度に反復刺激すると収縮力が増すこと)を起こさない。

(c)       心筋は自立的に収縮するが、それをコントロールしているのは洞房結節などにつながる自律神経系である。

(d)      心筋には横紋がある。

(e)       骨格筋と同様に、筋はあらかじめ伸ばされていると収縮したときにそれだけ強い張力を発生する。

 

36正解c

(a)      ドーパミンは視床下部から放出されるホルモンであり、それが下垂体門脈を経て下垂体前葉に作用すると、下垂体からのプロラクチン放出を抑制する(プロラクチンは乳腺刺激などに関与)

(b)      副甲状腺ホルモンは血漿カルシウム濃度を増加させる。

(c)       ソマトスタチンは視床下部から放出されるホルモンであり、それは主として下垂体前葉から放出される成長ホルモン分泌を抑制するが、プロラクチン、TSH(甲状腺刺激ホルモン)の分泌も抑制する。

(d)      ガストリンは血行を介して胃腺に達し、胃酸とペプシノーゲンの分泌を刺激する。

(e)       インスリンは血糖値を下げるホルモンである。

 

37正解a

(参考)甲状腺の傍濾胞細胞から産生されたホルモン(カルシトニン)は血中カルシウム濃度を低下させる。副甲状腺ホルモンは血中カルシウム濃度を上昇させる。

 

38正解e

a.      CD34は単能性(CFU-GMBFU-E)や多能性骨髄幹細胞(CFU-GEMMCFU-MIxCFU-Blast)を含む、骨髄と血液中の全ての造血コロニー形成細胞上と未熟造血前駆細胞に発現する。

b.      その通り

c.       その通り

d.      その通り

e.       増殖能はなし

 

39正解c

古くなった赤血球(寿命は120日)は脾臓などでマクロファージによって貪食される。ヘモグロビンはヘムとグロビンに分離され、グロビンはアミノ酸に、ヘムは鉄を取り除かれた後、ビリベルジンを経てビリルビンになる。取り除かれた鉄は鉄(V)イオンの形となっており、血漿タンパクの1つであるトランスフェリンに結合する。この複合体は骨髄に運ばれ、ヘモグロビン生成に必要な鉄の供給源となる。溶血が起きると、細胞質が外へ出て、その際の細胞膜が血球影として見える。300Osm/lという浸透圧は0.9%の生理的食塩水と同じ、つまり正常の浸透圧であり、要訣しない。

 

40正解e

肺の気道平滑筋(気管、気管支、細気管支)には肺伸展受容器が存在する。肺が膨張するとこの受容器は働き、迷走神経を介して求心性のインパルスを呼吸中枢に送る。すると、吸息は抑制される。これはへーリング・ブロイエル反射として知られている。

 

e)肺が吸息によって膨張した時、よくされるのは吸息である。呼息はむしろ促進されるはず

 

41正解c

動脈血中の二酸化炭素分圧は約40mmHgであり、静脈血中のそれは約46mmHgである。グラフにおいて、酸素分圧100mmHgが動脈血、酸素分圧40mmHgの方が静脈血であるので、これを基に見ていく。まず、酸素分圧100mmHgの方の二酸化炭素分圧が40だから、横軸で40のところを上にたどり、100mmHgのグラフと交叉するところを見ると、血中二酸化炭素飽和度は48%である。一方、静脈血のほうも同様に、46のところから40mmHgのグラフと交叉するところを見ると、52%である。よって求める答えは52484%となる。

 

44正解c

a.b.GOTGPTは本来肝細胞内にある酵素。

c.ALPは胆道からでる逸脱酵素

d. LDHは肝臓、赤血球、筋肉、悪性腫瘍などにある。逸脱酵素として有名。

e.イソクエン酸デヒドロゲナーゼは肝細胞のミトコンドリア内に存在する。

 

45正解c?

b,d,eはプリンヌクレオチドの異化の過程において代謝され、最終的に尿酸になる。cはピリミジンであり、最終的にβアラニンとなる。aはプリン塩基だからb,d,eといっしょかな…

47正解c?

樹状細胞はリンパ組織のT細胞領域に存在する細胞である。分枝状または樹状の形態を示し、T細胞刺激活性は最も強い。非リンパ組織にも樹状細胞は存在するが、活性化されリンパ組織に遊走しないとT細胞刺激活性が現れない。抗原を取り込み、これをリンパ球へ提示し認識させる働きに特化されている。未熟なものは血液中から遊走し、組織に定着すると貪食などにより、大量の細胞外液を取り込んでいる。未熟なものということでcなのかなぁ…

好塩基球はマスト細胞と類似の役割を果たす。

 

43正解d

新生ポリペプチドは細胞質内にある遊離性リボソームか、または粗面小胞体に結合しているリボソーム上で合成がなされ、ゴルジ体に送られ、ここでいろいろな加工をされる。

 

inserted by FC2 system